ヒプマイの漫画、どこから読むべき?順番がわからない人へ完全ガイド!
『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』は、音楽×キャラクター×ラップによる大人気メディアミックスプロジェクト。
その公式コミカライズ(漫画)はシリーズ数が多く、読む順番に迷いがちです。
この記事では、「ヒプマイって何?」という基本から、独自の世界観と漫画作品の位置づけをわかりやすく解説。
さらに、これまでの全漫画シリーズの内容、各ディビジョンごとの特徴、最新刊情報、今後の展開予想まで網羅し、ストーリー順でのおすすめの読み方を紹介します。
読む順番に悩んでいる方も、これを読めばスッキリ!Q&A形式でよくある疑問にもお答えします。
ヒプノシスマイクとは?

「ヒプノシスマイク」とは、音楽×キャラクター×ストーリーが融合したメディアミックスプロジェクトです。
通称「ヒプマイ」と呼ばれ、2017年にキングレコードから始動しました。最大の特徴は、ラップバトルを中心に展開される独自の世界観です。
物語の舞台は、武力が排除され「言葉(リリック)」によって争いが行われる近未来の日本。男性たちは特殊なマイク「ヒプノシスマイク」を使い、自らの言葉とビートで戦います。
ラップでのバトルは、相手の精神に直接ダメージを与える設定になっており、ラップ=武器というユニークな世界観が話題を呼びました。
プロジェクトには、実力派声優たちが演じる18人の男性キャラクターが登場し、以下の6つのディビジョン(チーム)に分かれています。
- イケブクロ・ディビジョン「Buster Bros!!!」
- ヨコハマ・ディビジョン「MAD TRIGGER CREW」
- シブヤ・ディビジョン「Fling Posse」
- シンジュク・ディビジョン「麻天狼」
- オオサカ・ディビジョン「どついたれ本舗」
- ナゴヤ・ディビジョン「Bad Ass Temple」
彼らはそれぞれ異なる背景や価値観を持ち、ラップバトルを通じて対立・共闘を繰り広げていきます。
ヒプマイの魅力は音楽だけにとどまりません。ドラマCD、漫画、舞台、アニメなど多岐にわたる展開で、キャラクターの内面やストーリーが深く掘り下げられています。
特にライブイベントは熱狂的な人気を誇り、リアルとフィクションが融合した唯一無二のエンターテインメントとして多くのファンを魅了しています。
ラップやヒップホップに馴染みがない人でも、キャラクター同士の掛け合いや熱いストーリー展開に惹き込まれるはず。
漫画版では各ディビジョンごとの視点で物語が描かれるため、自分の“推し”の活躍や知られざる過去を存分に楽しむことができます。
「ヒプマイ」漫画の読む順番は?ストーリー時系列に沿ったおすすめ順
ヒプノシスマイクのコミカライズはシリーズ数が多く複雑ですが、基本的にはストーリーの時系列(物語の流れ)に沿って読むのがおすすめで。以下に、物語の時系列順に並べた読む順番の一例を示します。
タイトル | 章/ディビジョン | シリーズ総巻数 | 該当巻(今回の区分) | 時系列・内容範囲 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
side B.B & M.T.C | 第1章(池袋&横浜) | 全3巻 | 1~3巻(全3巻) | 第1回D.R.B開幕~決着まで | 講談社刊 |
side F.P & M | 第1章(渋谷&新宿) | 全3巻 | 1~3巻(全3巻) | 第1回D.R.B開幕~決着まで | 一迅社刊 |
side B.B & M.T.C+ | 第2章(池袋&横浜) | 全6巻 | 1~2巻(全6巻の前半) | 第1回後~第2回序盤 | 一部オリジナルエピソード含む |
side F.P & M+ | 第2章(渋谷&新宿) | 全6巻 | 1~2巻(全6巻の前半) | 第1回後~第2回序盤 | 一部オリジナルエピソード含む |
side D.H & B.A.T | 大阪&名古屋編 | 全5巻 | 1~5巻(全5巻) | 第1回後~第2回直前(結成秘話) | 講談社刊 |
Before The Battle The Dirty Dawg | T.D.D編(過去編) | 全4巻 | 1~4巻(全4巻) | 本編約2年前/結成~解散 | 講談社刊 |
Before The Battle Dawn Of Divisions | Dawn編(過去短編集) | 全3巻( | 1~3巻(全3巻) | 本編以前・前後の短編 | 講談社刊 |
side B.B & M.T.C+ | 第2章(池袋&横浜) | 全6巻 | 3~4巻(全6巻の中盤) | 第2回D.R.B中盤~終盤 | — |
side F.P & M+ | 第2章(渋谷&新宿) | 全6巻 | 3~4巻(全6巻の中盤) | 第2回D.R.B中盤~終盤 | — |
side D.H & B.A.T+ | 第2章(大阪&名古屋) | 全2巻 | 1~2巻(全2巻) | 第2回D.R.B全般 | 講談社刊 |
side B.B & M.T.C+ | 第2章(池袋&横浜) | 全6巻 | 5~6巻(全6巻の終盤) | 第2回D.R.B決着まで | — |
side F.P & M+ | 第2章(渋谷&新宿) | 全6巻) | 5~6巻(全6巻の終盤) | 第2回D.R.B決着まで | — |
この順番は、原作ドラマトラックのリリース順序と第2回D.R.Bの流れを可能な限り反映したものです。
特に第2章(+シリーズ)は複数のシリーズが同一時間軸で進行するため上記のように巻数を分割して交互に読むことで完全な時系列が追えますが、もちろん各シリーズを通しで読んでも十分楽しめます。
また、過去編の『The Dirty Dawg』と『Dawn Of Divisions』は時系列的には本編前ですが、物語の核心に触れる内容でもあります。
読むタイミングとしては、第2回D.R.B編の途中(大阪・名古屋参戦あたり)で読んでおくと新ディビジョン組と絡めて理解が深まります。
特にT.D.D編とDawn編は、『side D.H & B.A.T』とセットで読むことで、各リーダーの過去と現在が繋がり感動が倍増するでしょう。
ただし、この順番はあくまで一例であり、絶対的な正解ではありません。
ヒプマイの漫画は各シリーズごとに完結した物語になっているため、読者の好みに合わせて読む順番を変えても問題なく楽しめます。
- 「まず推しキャラ・好きなディビジョンの話から読みたい」という場合
- そのチームが登場するシリーズを先に読むのが良いでしょう。例えばMTC推しなら『B.B & M.T.C』シリーズから、麻天狼推しなら『F.P & M』シリーズから始めるなど、自分の興味に沿って読み進めてもOKです。いずれのシリーズも第1回D.R.Bの決勝戦でストーリーが繋がるため、どれから読んでも最終的な大筋は理解できます。
- 「ストーリーを時系列でしっかり追いたい」という場合
- 上記リストのように時系列順に読むことで、過去から現在まで物語の流れを時系列通り把握できます。特に+シリーズは同時並行の出来事が多いため、交互に読む方法は一つの参考になるでしょう。
- 「まずは簡単に全体像を知りたい」という場合
- 第1章・第2章のそれぞれで主要な勝敗が分かるシリーズを選んで読む手もあります。例えば城キイコ先生作画の『side F.P & M(+)』シリーズは作画クオリティも高く、1stバトル優勝=麻天狼の勝利と2ndバトル優勝=Fling Posseの勝利まで一通り押さえられるためおすすめです。
要は、ヒプマイ漫画の楽しみ方に正解はありません。
どの順番で読んでもキャラクターたちの魅力に触れられますし、一度全シリーズを読んだ後で改めて時系列順に並べ直して再読すると新たな発見があるかもしれません。
自分なりの順番で、ヒプマイ漫画の世界を存分に楽しんでください!
「ヒプマイ」公式漫画シリーズ一覧(本編・スピンオフ・アンソロジー)

現在、ヒプマイの公式コミカライズ作品は大きく8シリーズに分かれており、いずれも完結済みで単行本(紙・電子)が発売されています。
ここでは本編ストーリーに沿ったシリーズ(第1~2回ディビジョン・ラップバトル)と、スピンオフ的な過去編や各ディビジョンのエピソードを描くシリーズ、および公式アンソロジーについて、タイトル・刊行情報・あらすじ・見どころをまとめます。
各シリーズはタイトルが長く紛らわしいうえ、「+(プラス)」付きの続編や限定版・通常版の違いなど初心者には分かりづらい点があります。
まずは以下に全シリーズの概要を時系列順で整理します。
- Before The Battle シリーズ(過去編)
- 本編開始以前の物語を描く前日譚コミック。
- 『ヒプノシスマイク -Before The Battle- The Dirty Dawg』(全4巻、漫画:鴉月ルイ、講談社・少年マガジンエッジ)
伝説のチーム「The Dirty Dawg」結成から解散までの物語。 - 『ヒプノシスマイク -Before The Battle- Dawn Of Divisions』(全3巻、漫画:鴉月ルイ、講談社・少年マガジンエッジ)
様々なキャラクターの過去を描く短編集(オムニバス)。
- 第1回ディビジョン・ラップバトル編(本編第1章)
- 1st D.R.B(第一回ディビジョンラップバトル)を各ディビジョン視点で描くコミック。
- 『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle- side B.B & M.T.C』(全3巻、漫画:蟹江鉄史、講談社・月刊少年シリウス)
池袋“Buster Bros!!!”&横浜“MAD TRIGGER CREW”の結成から第1回D.R.B決着まで。 - 『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle- side F.P & M』(全3巻、漫画:城キイコ、一迅社・月刊コミックZERO-SUM)
シブヤ“Fling Posse”&シンジュク“麻天狼”の結成から第1回D.R.B決着まで。
- 第2回ディビジョン・ラップバトル編(本編第2章)
- 2nd D.R.B(第二回ディビジョンラップバトル)を描くコミック(※「+」が付いた続編シリーズ)。
- 『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle- side B.B & M.T.C+』(全6巻、漫画:うまみザウルス、講談社・月刊少年シリウス)
池袋&横浜編の続編。第2回D.R.B決着まで(オリジナルエピソードを含む)。 - 『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle- side F.P & M+』(全6巻、漫画:城キイコ、一迅社・月刊ZERO-SUM)
シブヤ&シンジュク編の続編。第2回D.R.B決着まで(オリジナルエピソードを含む)。 - 『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle- side D.H & B.A.T+』(全2巻、漫画:calamarium、講談社・少年マガジンエッジ)
オオサカ“どついたれ本舗”&ナゴヤ“Bad Ass Temple”編の続編。第2回D.R.B決着まで。
- オオサカ・ナゴヤ編(新ディビジョン過去編)
- 大阪・名古屋チームの結成秘話を描くコミック。
- 『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle- side D.H & B.A.T』(全5巻、漫画:相羽紀行、講談社・マガジンポケット)
オオサカ“どついたれ本舗”&ナゴヤ“Bad Ass Temple”の6人に焦点。当チーム結成までの物語。
- 公式アンソロジー
- 上記シリーズ以外にも、公式のコミックアンソロジー(複数作家による短編集)が存在します。
- 本編ストーリーとは直接関係しないパロディ・コメディ中心の内容で、少なくとも2冊程度が発売。
- 各ディビジョンのキャラクターたちの日常やほのぼのネタを描いたファンブック的な内容で、ヒプマイの世界をより楽しみたい方向けの作品です。
それでは、各シリーズごとに著者・巻数など刊行情報とあらすじ、見どころを詳しく見ていきましょう。
『ヒプノシスマイク -Before The Battle- The Dirty Dawg』
- 分類:過去編(前日譚)コミカライズ
- 掲載:少年マガジンエッジ(講談社) 2019年連載開始 – 2020年完結(全4巻)
- 作者:漫画・鴉月ルイ / 原作・EVIL LINE RECORDS / シナリオ・百瀬祐一郎
- 内容:The Dirty Dawg(通称T.D.D)結成から崩壊までの物語
- 略称:「TDD編」「ダーティードッグ編」など
本作は、伝説のチーム“T.D.D”の結成秘話と解散に至る経緯を描いたストーリーです。
舞台は本編より約2年前(H歴1年頃)に遡り、山田一郎(Buster Bros!!!リーダー)、碧棺左馬刻(MAD TRIGGER CREWリーダー)、飴村乱数(Fling Posseリーダー)、神宮寺寂雷(麻天狼リーダー)という後の各ディビジョンリーダー4人がチームを組んでいた時代の出来事が明かされます。
あらすじ
闇医者の寂雷が提唱した理想に共鳴し集まった4人は、「武力なき世界」の実現のため各分野で活躍します。しかし、任務中のある惨劇をきっかけに4人の関係は亀裂が生じていきます。
一郎と左馬刻、乱数と寂雷という宿敵同士が犬猿の仲になった理由や、伝説のチームが崩壊した真相など、楽曲とドラマトラックだけでは語られなかった重い過去が詳細に描かれます。
また、幼い頃の山田兄弟や、左馬刻の妹・合歓(ねむ)、寂雷の弟子・簓(ささら)といったサブキャラクターも登場し、本編に繋がる重要な背景が明らかになります。
見どころ
T.D.Dメンバー4人の出会いと絆、そして決別に至るまでのドラマが最大の見どころです。
一郎&左馬刻、乱数&寂雷の確執や不和の原因がこの漫画で初めて明かされ、彼らの因縁がいかに深いものか理解できます。
原作のドラマパート『The Champion』収録のT.D.Dストーリーでは不明だった伏線が多数回収されており、ヒプマイファンからの注目度も非常に高いシリーズです。
シリアスで辛い展開もありますが、その分キャラクターの内面を深く掘り下げており、「なぜ彼らが現在の立場・関係性になったのか」を知ることで物語への没入感が増すでしょう。
さらに、限定版コミックスには一郎&左馬刻がサウナ対決する「Nausa de Zuiqu」などのボイスドラマCDが付属しており、重苦しいストーリーの中に笑いを提供してくれるのもファンには嬉しいポイントです。
『ヒプノシスマイク -Before The Battle- Dawn Of Divisions』
- 分類:過去編(短編集)コミカライズ
- 掲載:少年マガジンエッジ(講談社) 2020年連載 – 2021年完結(全3巻)
- 作者:漫画・鴉月ルイ / 原作・EVIL LINE RECORDS / シナリオ・百瀬祐一郎
- 内容:各キャラクターの過去エピソードを描くオムニバス短編集
- 略称:「Dawn編」
『Dawn Of Divisions』は、本編開始前後の様々なキャラクターの日常や出会いを描いたオムニバス形式の短編集です。
T.D.D時代よりさらに前のH歴0~1年頃から、T.D.D解散直後(ディビジョン結成前後)までのエピソードが収録されています。
各話ごとに焦点となるキャラクターやチームが異なり、ヒプマイ世界の背景を多角的に補完する内容です。
あらすじ
収録エピソードの一例として、以下のようなストーリーが描かれます。
- Naughty Busters編: 一郎と碧棺合歓(左馬刻の妹)が幼少期に結成した“ノーティーバスターズ”でのエピソード(※合歓は後に中王区へ)。
- Mad Comic Dialogue編: 若き日の天谷奴零(あまやづ れい)と波羅夷空却(はらい くうこう)が組んだ“Mad Comic Dialogue”というチームでの奇妙な過去エピソード。
- 空寂ポッセ編: 飴村乱数と神宮寺寂雷がまだ友人だった頃のコンビ“空寂ポッセ”としての活動。
- The Dirty Dawg後日談: T.D.D解散直後のショートストーリー(T.D.D編『The Dirty Dawg』と同時進行の裏話)。
これらの短編を通じて、一郎・左馬刻・空却・簓(ささら)の共闘シーンや、普段交わらないキャラ同士の意外な接点が明らかになります。
また、第3巻では黒鍵の過去(中王区メンバーのエピソード)や各ディビジョン“1番手”同士の共闘など、ファン必見の内容も含まれています。
見どころ
本シリーズは短編オムニバスのため各話ごとにテイストが異なり、日常のほのぼのエピソードからバトルの裏側、シリアスな秘密まで様々です。
特に、公式の触れ込みである「Dirty Dawg編で心が辛くなった人は、このDawn編で癒やされましょう」の通り、T.D.D編での重い展開に胸を痛めた読者が一息つけるようなコミカル寄りの日常話も多く含まれています。
6人のリーダー(各ディビジョンの中心人物)が現在のチームを結成する前の姿を描くことで、「彼らにもこんな意外な過去が?」という新鮮な発見があるでしょう。
また、限定版特典CDには左馬刻&簓の掛け合い曲『Double Trouble』や、乱数&寂雷のバースデーソング『Birthday』など、この漫画ならではの楽曲が収録されています。
『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle- side B.B & M.T.C』
- 分類:第1回ディビジョンバトル編(1stバトル・池袋&横浜編)
- 掲載:月刊少年シリウス(講談社) 2018年連載 – 2019年完結(全3巻)
- 作者:漫画・蟹江鉄史 / 原作・EVIL LINE RECORDS / シナリオ・百瀬祐一郎
- 内容:イケブクロ・ディビジョン「Buster Bros!!!」&ヨコハマ・ディビジョン「MAD TRIGGER CREW」視点の第1回D.R.Bストーリー
- 略称:「B.B & M.T.C無印(むじるし)」など
ヒプマイ本編ストーリーである第1回ディビジョン・ラップバトル(通称1st D.R.B)を描くコミカライズの一つで、池袋と横浜の2チーム(バスブロ&MTC)の視点から物語が展開します。
第1回D.R.Bにおける彼らのチーム結成経緯から予選リーグ、決勝トーナメントの戦いまでを網羅した内容です。
あらすじ
新宿・渋谷・池袋・横浜の4ディビジョンによる初の公式ラップバトル「ディビジョン・ラップバトル」が開催決定。
池袋代表の山田一郎率いる兄弟チーム「Buster Bros!!!」と、横浜代表の碧棺左馬刻率いる武闘派チーム「MAD TRIGGER CREW」は、それぞれの因縁や目的を胸に優勝を目指します。
物語は、Buster Bros!!!の結成理由(一郎が弟たちとの絆を示すためチーム結成)や、MTC結成の背景(左馬刻が仲間たちと手を組んだ動機)から始まり、各ディビジョンの代表同士が戦う予選バトル、さらには1回目の決勝戦まで描かれます。
途中、山田二郎・三郎の兄弟エピソードや、銃兎・理鶯らMTCメンバーの過去も織り交ぜつつ、決着へ向けストーリーが進みます。
見どころ
池袋&横浜チームそれぞれの結成秘話と、他ディビジョンとのバトル展開が最大の見どころです。
例えば、本作ではシブヤ・ディビジョンとの試合(バスブロ vs ポッセ戦)や、ヨコハマ vs シンジュク戦など、CDドラマでは断片的だったバトルの様子が詳しく描かれています。
またMTCのメンバーである入間銃兎(元・横浜警察)と毒島メイソン理鶯(元・軍人)の過去や出会いも少し掘り下げられており、ハードボイルドな横浜勢の絆が垣間見えるのも魅力です。
さらに、各巻の限定版付属CDでは二郎&三郎の兄弟ラップ「BB’s City」や、銃兎&理鶯の休日を描いた「Private Time」など、漫画オリジナル要素を音でも楽しめる特典が用意されています。
補足
第1回D.R.Bの結末(優勝チーム)は新宿ディビジョン“麻天狼”ですが、本シリーズでは池袋・横浜視点で物語が進行するため、決勝戦の描写も彼らの観点で描かれます。
勝敗の結果自体は他シリーズでも語られますが、バスブロ&MTC側から見た決勝の様子や敗北の受け止め方など、本作でしか得られない描写もあるため、可能であれば他シリーズ(シンジュク&シブヤ編)と併せて読むと物語の全貌が掴みやすいでしょう。
『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle- side F.P & M』
- 分類:第1回ディビジョンバトル編(1stバトル・渋谷&新宿編)
- 掲載:月刊コミックZERO-SUM(一迅社) 2019年連載 – 2020年完結(全3巻)
- 作者:漫画・城キイコ / 原作・EVIL LINE RECORDS / シナリオ・百瀬祐一郎
- 内容:シブヤ・ディビジョン「Fling Posse」&シンジュク・ディビジョン「麻天狼」視点の第1回D.R.Bストーリー
- 略称:「F.P & M無印」など
こちらも1st D.R.B本編を描くシリーズで、渋谷と新宿の2チーム(ポッセ&麻天狼)の視点から物語が進みます。
基本的な時間軸・出来事は先述のB.B & M.T.C編と並行しており、ディビジョンバトル開幕から優勝チーム決定までを、Fling Posseと麻天狼それぞれのドラマを交えて描きます。
あらすじ
シブヤ代表チーム「Fling Posse」のリーダー・飴村乱数は飄々とした天才MC。一方、新宿代表「麻天狼」のリーダー・神宮寺寂雷は静かなるカリスマ医師。
正反対の個性を持つ二人ですが、それぞれの目的(乱数には謎の指令、寂雷には守るべき患者達の存在)がありディビジョンバトルに挑みます。
物語序盤ではFling Posse結成のいきさつ(乱数が夢野幻太郎と有栖川帝統をスカウトする経緯)や、麻天狼結成の背景(寂雷が伊弉冉一二三と観音坂独歩をチームに誘う理由)が語られます。
その後、渋谷vs池袋、新宿vs横浜などの予選・決勝戦が展開し、ついに初代チャンピオンが決定します。
見どころ
渋谷&新宿チームの対照的なチームカラーが描き分けられている点が魅力です。
明るくポップなFling Posseの日常シーン(しかしメンバーそれぞれ暗い秘密を抱えている)と、シリアスでバトル色の強い麻天狼の戦いぶりが一冊で楽しめます。
特に麻天狼は1st D.R.B優勝チームだけあってバトルシーンが熱く、寂雷の強さや一二三&独歩の成長が痛快に描かれます。
一方、Fling Posse側はコミカルな掛け合いの中にもダークな伏線が散りばめられており、「実は3人ともストーリー上で重要な秘密を抱えている」という設定が垣間見えるのもポイントです。
例えば幻太郎の過去の詐欺師稼業や帝統のギャンブル癖の裏設定など、小出しにされる謎が後のシリーズ(第2章)への興味をかき立てます。
限定版コミックスでは、一二三&独歩がノリノリで料理番組風ラップを披露する「Wrap&Rap~3分バイブスクッキング~」や、幻太郎&帝統が絵本の世界を体験する「Once Upon a Time in Shibuya」など、ユニークな特典楽曲&ドラマも収録。
漫画本編と併せて聴くことでキャラクターへの理解が一層深まるでしょう。
補足
1st D.R.B決勝戦で麻天狼が優勝する場面は本シリーズでしっかりと描かれ、栄冠を勝ち取った彼らの喜びや敗者側の心情もしっかり表現されています。
Fling Posseは途中敗退しますが、リーダー乱数がこの戦いで何を得たのか、彼が隠す“ある秘密”とは何か——といった伏線が物語終盤に示唆されており、この先の第2章(シブヤ・ディビジョンの逆襲)への布石となっています。
『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle- side D.H & B.A.T』
- 分類:大阪&名古屋ディビジョン編(新ディビジョン結成秘話)
- 掲載:マガジンポケット(講談社) 2020年連載 – 2022年完結(全5巻)
- 作者:漫画・相羽紀行 / 原作・EVIL LINE RECORDS / シナリオ・百瀬祐一郎
- 内容:オオサカ・ディビジョン「どついたれ本舗」&ナゴヤ・ディビジョン「Bad Ass Temple」結成までの物語
- 略称:「D.H & B.A.T無印」「オオサカ・ナゴヤ編」など
本作は、第1回D.R.Bには未参加だった大阪&名古屋の新ディビジョンにスポットを当てたスピンオフ的ストーリーです。
時系列的には第1回D.R.B終了直後~第2回D.R.B開幕前にあたり、大阪と名古屋で新たに誕生するチームのバックグラウンドが描かれます。
あらすじ
第1回大会の後、中王区の思惑により新ディビジョンとして招聘されることになった大阪と名古屋。
大阪では、お笑い芸人を目指していた白膠木簓(ぬるで ささら)と幼馴染の躑躅森盧笙(つつじもり ろしょう)が18歳で漫才コンビ「どついたれ本舗」を結成します。
しかし笑いの道を巡る意見の相違からコンビは解散。漫才を諦めた簓はやがて碧棺左馬刻(ヨコハマMTC)と出会い意気投合し、盧笙は教師の道へ進みます。
名古屋では、中学生の波羅夷空却が司法の卵である勘解由小路無花果(中王区)と知り合い、同じく中学生の四十物十四(あいもの じゅうし)は弁護士見習いの天谷奴零と出会います。
それぞれの交流を経て月日が流れ、空却は山田一郎(池袋Buster Bros)と親交を深めチーム結成への決意を固め、十四は音楽の才能を見出していきます。
こうした大阪&名古屋メンバーの青春時代を経て、物語終盤では簓・盧笙・零が合流して“大阪ディビジョン・どついたれ本舗”が、空却・十四・獄(=勘解由小路 卍/ヒフミの上司で無花果の弟)が集い“名古屋ディビジョン・Bad Ass Temple”がそれぞれ結成されます。
そして迎える第2回D.R.B開幕…というところで物語が次のシリーズ(+編)へと繋がります。
見どころ
オオサカ&ナゴヤチームそれぞれの前史が丁寧に描かれているのが最大の見どころです。
大阪編では簓と盧笙の漫才シーンやコンビ解消に至る心情、さらには簓と左馬刻が意気投合する意外なエピソード(なんと簓が左馬刻の舎弟のような時期があった!)が描かれ、笑いあり涙ありの人間ドラマが展開します。
名古屋編では空却と十四という正反対の若者同士がそれぞれ刑事&弁護士の兄貴分(無花果&零)と出会い成長していく様子が描かれます。
特に十四(ナゴヤの中二病ラッパー)が音楽に目覚めるきっかけや、空却(元・不良)が一郎との友情を育む場面など胸アツです。
また、本シリーズのユニークな点として、単行本1巻〜4巻までは漫画オリジナルストーリー(上記の結成秘話)、第5巻で初めて原作ドラマトラック準拠の内容(第2回D.R.B開幕エピソード)が描かれていることが挙げられます。
つまり前半4巻は完全新作エピソードであり、新ディビジョンの背景をより深掘りして楽しめます。
限定版特典CDも充実しており、
- 1巻:大阪メンバーが酒に酔いどれになる爆笑ソング『なにわ☆パラダイ酒』
- 3巻:名古屋メンバーの怪奇事件コメディ曲『R.I.P.』
- 5巻:簓&空却が大阪・名古屋名物をプレゼン対決する『ヌルサラのディビジョン・レップ・バトル』
などが収録され、漫画本編と合わせて世界観を広げてくれます。
『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle- side B.B & M.T.C+』
- 分類:第2回ディビジョンバトル編(2ndバトル・池袋&横浜編 続編)
- 掲載:月刊少年シリウス(講談社) 2020年連載 – 2023年完結(全6巻)
- 作者:漫画・うまみザウルス / 原作・EVIL LINE RECORDS / シナリオ・百瀬祐一郎
- 内容:池袋・横浜ディビジョン視点の第2回D.R.Bストーリー(+は続編を意味)
- 略称:「B.B & M.T.Cプラス」「池袋&横浜第2章」など
第2回ディビジョン・ラップバトル(2nd D.R.B)の物語を描くシリーズの一つで、池袋・横浜チーム(Buster Bros!!! & MAD TRIGGER CREW)のその後の物語が描かれます。
タイトルに「+(プラス)」が付いている通り、前シリーズ(1stバトル編)の続編に当たります。1stバトル終了後から物語が再び動き出し、2ndバトルでの彼らの活躍と変化が描かれます。
あらすじ
第1回D.R.Bで敗退を喫した池袋と横浜の面々。山田一郎はリベンジに燃え、弟たちと再起を誓います。一方、碧棺左馬刻もまた仲間(銃兎・理鶯)との絆を深め、次の戦いに備えていました。
そんな中、中王区のもとに大阪・名古屋ディビジョンが新規参戦するとの報せが…。第2回D.R.Bでは6ディビジョンがトーナメント形式で激突します。
物語前半では、1回戦敗退からの再起に焦点が当たり、敗北を経験した一郎・左馬刻それぞれの心境や成長が丁寧に綴られます。
中盤では、大阪“どついたれ本舗”の参戦により池袋勢との意外な因縁(簓と一郎の邂逅)や、横浜勢と名古屋“Bad Ass Temple”勢との初対面など新たなドラマが生まれます。
そして決勝トーナメントで再び彼らは激突し…。最終巻では第2回大会の決着(麻天狼を破ったFling Posseの優勝)が描かれ、物語は次の局面へ進みます。
見どころ
このシリーズ最大の特徴は、キャラクター関係の大きな変化と成長です。
第1章での敗北を経て、かつて肩に力の入っていた一郎が弟たちを信頼し任せる兄貴へと成長したり、左馬刻が失っていた大切なもの(妹・合歓との関係など)に向き合ったりと、各キャラの内面的な成長が丁寧に描かれます。
また、波羅夷空却の兄貴分であった天谷奴零(MTCメンバーとして横浜に合流)が物語に絡み、山田父(=一郎たちの父親)の存在が示唆されるなど、ファン垂涎の新設定も登場します。
第4巻では簓・盧笙(大阪)も登場し、ディビジョンを超えたキャラ同士の交流が見られるのも本シリーズならではです。
さらに、第2巻には漫画オリジナルストーリーが収録されており、碧棺左馬刻がヤクザの道に入った経緯や、入間銃兎と毒島メイソン理鶯が知り合ったきっかけなど、横浜ディビジョン推しには見逃せない裏設定が描かれています。
これにより左馬刻・銃兎・理鶯の関係性がより立体的に理解でき、「MAD TRIGGER CREW」の絆が一層深く感じられるでしょう。
限定版特典CDも健在で、
- 1巻:二郎&三郎の兄弟愛ソング『Respect each Brother』
- 2巻:銃兎&理鶯のクールなデュオ曲『We Are Untouchable』
などが収録され、音楽でも彼らの成長を楽しめる構成です。
物語終盤、池袋・横浜チームは惜しくも優勝を逃しますが(決勝は他ディビジョン同士の戦い)、彼らのリベンジマッチは今後の展開に持ち越しとなっており、読者に期待を抱かせつつ幕を閉じます。
『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle- side F.P & M+』
- 分類:第2回ディビジョンバトル編(2ndバトル・渋谷&新宿編 続編)
- 掲載:月刊コミックZERO-SUM(一迅社) 2020年連載 – 2022年完結(全6巻)
- 内容:渋谷・新宿ディビジョン視点の第2回D.R.Bストーリー(+は続編を意味)
- 略称:「F.P & Mプラス」「シブヤ&シンジュク第2章」など
第2回D.R.B本編を描くシリーズの一つで、シブヤ&新宿チーム(Fling Posse & 麻天狼)のその後が描かれます。
第1章(無印)で優勝を遂げた麻天狼と、敗退したFling Posse明暗の分かれた両チームが、第2章ではどのような運命を辿るのかが見所です。
あらすじ
初代王者となった麻天狼のリーダー・神宮寺寂雷は、医師として日々忙殺されながらも、再び訪れるバトルに備えて仲間(一二三・独歩)との絆を再確認していました。
一方、敗者となった飴村乱数率いるFling Posseは、乱数が裏で中央政府(中王区)と通じていた事実が発覚し、チーム内に不穏な空気が漂います。
第2回D.R.Bでは新ディビジョン参戦によりトーナメント規模が拡大。
寂雷はかつての親友である天谷奴零(名古屋・Bad Ass Templeのメンバー)との再会に動揺し、独歩と一二三にもそれぞれ試練が訪れます(独歩は会社から理不尽な解雇通告を受け、一二三はトラウマの女性と再会し動揺)。
一方のFling Posseでは、乱数が謎の「怪しい仕事」を抱えて単独行動し始め、幻太郎と帝統は乱数を案じつつも彼の真意を測りかねます。
やがて第2回戦いの決勝トーナメントが幕を開け、Fling Posse vs 麻天狼の激突、乱数の身体に迫る危機、そして明かされる乱数の正体と中王区の陰謀、物語はクライマックスへと突入します。
見どころ
シブヤ&新宿チームの関係性が激変する点が本シリーズ最大の見どころです。
1stバトル優勝を経て揺るぎない絆で結ばれたかに見えた麻天狼ですが、寂雷先生の抱える孤独や独歩・一二三の個人的な悩みが浮き彫りになり、チームとして乗り越えるべき課題が見えてきます。
特に一二三は女性恐怖症を克服しホストになった過去(22歳当時)のエピソードが登場し、独歩との固い友情の原点が描かれるなど感動的です。
また寂雷と名古屋ディビジョンの碧棺合歓の兄・天谷奴零(あまやづ れい)との因縁が明らかになり、大学時代に友情が決裂した経緯なども語られます。こうした過去を乗り越えて寂雷が再び決意を固めるシーンは胸に迫るものがあります。
一方、Fling Posse側では飴村乱数の正体に関わる核心的な展開があります。
乱数が中王区の「言の葉党」と内通していたことや、その目的が徐々に明らかになり、同時に仲間の幻太郎・帝統にも大きな葛藤が生まれます。
特に幻太郎は乱数を匿いながら彼の真意を探り、帝統もまた仲間を信じ抜こうとする姿勢を見せ、Fling Posseのチーム関係が大きく変化していきます。
最終的に第2回D.R.B決勝ではFling Posseが麻天狼を破り優勝を果たしますが、その裏で乱数はある使命を全うし姿を消すという衝撃的な展開を迎えます(※乱数に関する重大なネタバレは伏せます)。
こうして物語は新章(第3回D.R.B)へ続く形で幕引きとなります。
本シリーズでも漫画オリジナル要素は健在で、第2巻には寂雷&獄(零)の大学時代の決別エピソードや、一二三&独歩の若き日の奮闘などが描かれています。
限定版小冊子では、幻太郎と帝統が声優(アフレコ)体験をするコメディ回「幻太郎、帝統のアフレコ体験記!」や、寂雷&乱数の秘話「Greetings from the God of Shinjuku」など、本編未収録の番外編が収録されており、ファンには嬉しい内容です。
特典CDも充実しており、
- 1巻:幻太郎&帝統デュエット曲『奇術館の殺人』
- 3巻:一二三&独歩デュエット曲『HOT GAME』
など聴き応え十分。2ndバトルを経て変貌するシブヤ&新宿勢の姿、ぜひその目で確かめてください。
『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle- side D.H & B.A.T+』
- 分類:第2回ディビジョンバトル編(2ndバトル・大阪&名古屋編 続編)
- 掲載:少年マガジンエッジ(講談社) 2022年連載 – 2023年完結(全2巻)
- 作者:漫画・calamarium / 原作・EVIL LINE RECORDS / シナリオ・百瀬祐一郎
- 内容:大阪・名古屋ディビジョン視点の第2回D.R.Bストーリー(+は続編を意味)
- 略称:「D.H & B.A.Tプラス」「大阪&名古屋第2章」など
大阪&名古屋ディビジョンの第2回D.R.Bでの戦いを描くシリーズです。
タイトルのとおり前作『side D.H & B.A.T』の続編であり、どついたれ本舗&Bad Ass Templeが初参戦する第2回D.R.B本戦でのエピソードが綴られます。
あらすじ
結成したばかりの“大阪・どついたれ本舗”と“名古屋・Bad Ass Temple”は、第2回ディビジョンバトル本戦に挑みます。
一次リーグを勝ち上がり、迎えた決勝トーナメント——大阪チームは準決勝で宿敵・シブヤ麻天狼連合(麻天狼に大阪から乱数が派遣された特別チーム)と対戦し、名古屋チームは横浜MAD TRIGGER CREWと激突します(※詳しい勝敗は伏せます)。
一方その裏では、中王区の思惑により大阪・簓と名古屋・空却に接触が図られ、簓は妹・合歓を救うためある取り引きを持ちかけられます。
チームの絆か、個人の願いか——苦悩する簓の前に碧棺左馬刻が現れ助言を与える場面も。また、Bad Ass Temple側でも、十四が音楽活動を通じ自らの信念に目覚め、空却と獄の関係にもある変化が訪れます。
様々なドラマを経て、ついに第2回D.R.Bはシブヤ・ディビジョン“Fling Posse”の優勝で幕を閉じます。敗北を喫した大阪&名古屋チームですが、それぞれに掴んだものもあり、物語は次なるステージ(第3回戦)へと繋がります。
見どころ
新ディビジョンである大阪&名古屋勢の本格参戦と、他ディビジョンとの初対決が見どころです。
とりわけ、簓vs乱数(あるいは簓&乱数 vs 寂雷)という、普段絡みのないキャラ同士のラップバトルが描かれたのは本シリーズの大きな収穫でしょう。
コミカルな簓が仲間や妹を守るためシリアスな葛藤を見せるシーンや、盧笙が教師としての信念を胸に乱数の策略に立ち向かう場面など、大阪チームの新たな一面が垣間見えます。
また名古屋チームも、波羅夷空却の異能(強力すぎるラップで相手を苦しめる)が本番で炸裂し、横浜チームを苦戦させる様子や、十四の成長したパフォーマンスなど見応え十分です。
本シリーズは連載誌『少年マガジンエッジ』の休刊により全2巻で完結となりましたが、単行本描き下ろしにより物語はしっかり完結。
そのため他の+シリーズ(全6巻等)に比べ巻数は少ないものの、内容は凝縮されておりテンポ良く進みます。
限定版特典CDには、
- 盧笙&零の『ワライカエセ!』
- 十四&獄の『夜光虫』
といった大阪・名古屋コンビの楽曲が収録され、こちらもファン必聴です。
ディビジョン別に見るストーリー展開とキャラ視点の楽しみ方

ヒプマイのコミカライズは各ディビジョン(チーム)ごとの視点で描かれるのが特徴です。
それぞれのシリーズでフォーカスされるチームが異なるため、ディビジョンごとに物語の見え方や雰囲気が変わります。ここではディビジョン別のストーリー展開に注目し、キャラ視点での読み方のポイントを解説します。
イケブクロ・ディビジョン(Buster Bros!!!)視点
長男・山田一郎を中心に、兄弟の絆と成長がテーマ。
池袋視点のシリーズでは、一郎が弟たちを引っ張りつつも悩み葛藤する姿が描かれます。一郎は熱血漢ですが責任感が強すぎる一面もあり、敗北を経て仲間を信頼するリーダーへ成長する様子は胸熱です。
兄弟喧嘩や日常のじゃれ合いなど微笑ましい場面も多く、ほのぼの感とバトルの熱さが同居した雰囲気になっています。
ヨコハマ・ディビジョン(MAD TRIGGER CREW)視点
碧棺左馬刻を中心に、荒くれ者揃いのチームのハードボイルドなドラマが展開。
横浜視点のシリーズでは、構成員だった左馬刻の裏社会での義理人情や、警官の銃兎・元自衛官の理鶯との固い友情が見どころです。
ダーティかつシリアスな世界観ですが、3人でまったり過ごす小ネタなど大人の余裕も感じさせます。特に+では左馬刻の過去が深掘りされ、何故彼が“仲間に甘い兄貴肌”になったのか理解できるでしょう。
シブヤ・ディビジョン(Fling Posse)視点
飴村乱数が率いるポッセのポップでミステリアスな世界。
渋谷視点のシリーズでは、明るくファンタジックな雰囲気の中に実は黒幕的な陰謀が潜むという二面性が特徴です。
乱数・幻太郎・帝統の掛け合いはコミカルですが、裏では各自秘密を抱えておりストーリーが進むにつれシリアス度が増します。
乱数の正体に関わる伏線が随所に散りばめられ、読み返すと新たな発見があるシリーズです。
シンジュク・ディビジョン(麻天狼)視点
神宮寺寂雷率いる麻天狼のクールで人間味あふれる物語。
新宿視点では、医師である寂雷の静かな情熱や、サラリーマン独歩・ホスト一二三の悩みと成長がじっくり描かれます。
特に一二三と独歩の固い友情や、寂雷が彼らを見守り導く姿は感動的です。
バトルもダークかつスタイリッシュで見応えがあり、大人の渋さを味わえるシリーズとなっています。
オオサカ・ディビジョン(どついたれ本舗)視点
白膠木簓ひきいるどつ本の笑いと涙の人情劇。
大阪視点では、漫才コンビ出身の簓と盧笙の掛け合いがとにかく楽しく、派手な笑いあり、だけど熱い絆もありの展開です。
大阪ならではのギャグセンスがちりばめられていますが、一方で簓の胸に秘めた想いや葛藤も丁寧に描かれ、読後には心地よい余韻が残ります。
ナゴヤ・ディビジョン(Bad Ass Temple)視点
波羅夷空却率いるBad Ass Templeのスピリチュアルで熱血な物語。
名古屋視点では、中二病全開の空却、仏教マニアの十四、元エリート裁判官の獄という異色トリオの奇妙な関係が見所です。
最初は噛み合わない3人が音楽と信念を通じて団結していく様子は痛快で、特に十四の成長(弱気な青年が魂の叫びを得る)が胸熱ポイントです。
バトルでは空却の荒々しいラップが炸裂し、勢いNo.1の熱さを感じられるでしょう。
「推しディビジョンのシリーズから読む」という選び方も大いにアリです。
たとえばヨコハマ推しならまず『side B.B & M.T.C』を読んで左馬刻たちの物語に浸り、次に他シリーズで他チーム側の視点を補完するといった読み進め方もできます。
各チームの視点で物語を追うことで、「同じ出来事でもこんなに見え方が違う」という面白さを味わえるでしょう。
最新刊情報と今後の展開:ファン注目ポイント

2023年末までに、ヒプマイ公式コミカライズ全シリーズは完結しました。
最新刊としては、『side D.H & B.A.T+』第2巻(最終巻)が2023年12月に発売され、これをもって第2回ディビジョンバトルまでの物語がすべて描かれた形になります。
したがって現時点(2025年)で発売中の単行本は、前述の8シリーズ計32冊+限定版小冊子となります。
第3回D.R.B以降の展開に注目
今後の展開として、気になるのは第3回ディビジョン・ラップバトル以降の物語でしょう。
漫画シリーズでは2ndバトル優勝まで(Fling Posseの勝利)でストーリーが一区切りついており、その後の展開(T.D.D再結成やリーダーたちの和解、新たなライブイベント、3rdバトルの始動など)は漫画では未だ描かれていません。
これらは原作のドラマトラック(音声ストーリー)で語られているため、続きが気になる方はCDや配信でドラマパートをチェックすると良いでしょう。
コミカライズ新シリーズの可能性
漫画版の新シリーズについて公式からの発表はありませんが、ファンとしては第3回D.R.B編のコミカライズ化にも期待が高まります。
今後新情報が出た際には、公式サイトやガイドブックなどでアナウンスされるはずです。
劇場版・アニメ第2期も話題に
2024年にはヒプマイ初の劇場版プロジェクトとしてインタラクティブ映画が公開され、観客投票で勝敗が変わるという試みも話題になりました。
この映画版は完全オリジナルストーリーですが、各ディビジョンの新曲も披露されるなどファン必見の内容です。
さらに、2023年10月~12月にはTVアニメ第2期『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle- Rhyme Anima +』が放送され、第2回D.R.Bのエピソードがアニメ化されました。
アニメ版は一部オリジナルの展開も含まれますが、基本的には漫画と同じストーリーラインを追っています。
例えば麻天狼VSシンジュクの決勝戦はアニメ第1期でもしっかり描かれましたし、第2期では大阪&名古屋チームが参戦するトーナメント戦が映像化されました。
アニメと漫画では描写の細かさや演出が異なるため、両方チェックすることで理解が深まるでしょう。
最新情報と今後の展望
現在は第3回D.R.B(通称3rdバトル)のシナリオがドラマCDやライブで展開中であり、ヒプマイの物語は進行形です。
公式からは2023年に最新オフィシャルガイドブックが発売され、各チームの軌跡や最新ストーリーが整理されています。
漫画派の方も、このガイドブックで最新情報を補完しつつ、今後の新展開(例えば新キャラ登場や4thライブの結果など)に備えておくと良いかもしれません。
要注目ポイントとして、もし3rdバトル以降が漫画化されるなら、波羅夷空却・天谷奴零ら含む「The Dirty Dawg復活」の物語や、新ディビジョンチーム(ナゴヤ&オオサカ)のさらなる活躍が描かれる可能性があります。
ヒプマイ原作の動きとしては、2024年9月にシリーズ8周年を迎え、各メディアで盛り上がりを見せています。
コミカライズ第3章の発表が待たれるところですので、ファンは今後のニュースを要チェックです。
読む順番に関するよくある疑問【Q&A】

最後に、ヒプマイ漫画の読む順番や内容に関してよくある質問とその回答をまとめます。
Q1. ヒプマイの漫画はどれから読み始めるのが良いですか?
基本的にどのシリーズから始めても大丈夫ですが、迷ったらお気に入りのディビジョンが登場するシリーズから読むのがおすすめです。
例えば「麻天狼が好き!」という方は、新宿&渋谷編『side F.P & M』から読むと麻天狼の活躍を存分に楽しめますし、物語の導入としても分かりやすいでしょう。
あるいはストーリーの大筋を掴みたい場合は、第1回D.R.Bを描くシリーズ(B.B & M.T.CやF.P & M)を先に読めば、その後の展開も理解しやすくなります。
Q2. シリーズが色々ありますが、読む順番を間違えると混乱しますか?
時系列を守って読めばベストですが、順番が前後しても致命的なネタバレになることは少ないです。
各シリーズは基本的に独立した視点で描かれており、同じ事件を別角度から見ているためです。
例えば1stバトル編は池袋&横浜視点と渋谷&新宿視点の2シリーズがありますが、どちらから読んでも最終的に麻天狼優勝という結末は同じなので大きな混乱はありません。
むしろ両方読むことで「裏ではこうなっていたのか」と補完できる仕組みです。
心配なら当記事で紹介したおすすめ順を参考に進めてみてください。
Q3. 『+(プラス)』と付いたシリーズは何ですか?無印とどう違うの?
「+」が付いているシリーズは、無印シリーズの続編(第2章)です。
たとえば『side B.B & M.T.C』の続編が『side B.B & M.T.C+』であり、第1回→第2回バトルへとストーリーが進みます。
無印シリーズが第1回大会を描き、+シリーズが第2回大会を描く…と覚えておけばOKです。
タイトルが似ていて紛らわしいですが、巻数や表紙デザインも異なるので購入時は「+の有無」を確認しましょう。
ちなみに+シリーズは無印シリーズを読んでいることが前提の内容なので、できれば対応する無印→+の順で読むことをおすすめします。
Q4. 漫画とCDドラマ(原作ストーリー)はどちらから触れた方がいい?違いはありますか?
どちらからでも楽しめますが、漫画から入ると分かりやすいかもしれません。
ヒプマイのストーリーは本来、楽曲に付随するドラマトラックで展開していますが、漫画版ではそのドラマトラックの内容をベースに新エピソードを追加して物語を再構築しています。
脚本家が同じなので基本ストーリーラインは共通していますが、漫画版オリジナルのシーンも多数あり、キャラの心情描写が深いです。
たとえばT.D.D崩壊の理由など、CDでは断片的だった部分が漫画で詳細に補完されています。
ですので、漫画→CDの順で楽しむと「音声で聞いていたあのシーンはこういう背景だったのか!」と理解が深まるでしょう。
逆にCDドラマで予習してから漫画を読むと、登場人物のビジュアルや表情がよりイメージしやすくなります。
それぞれ一長一短ですが、漫画だけでもストーリーは十分追えるように作られているのでご安心ください。
Q5. 限定版と通常版の違いは?漫画だけ読めればいい?
単行本には「通常版」と「CD付き限定版」が存在する巻があります。
限定版には書き下ろし楽曲やドラマパートを収録したCD(奇数巻に付属が多い)や、小冊子・グッズ類(偶数巻付属が多い)が特典として付きます。
漫画本編の内容は通常版も限定版も同じですので、「漫画だけ読みたい」場合は通常版で問題ありません。
ただ、限定版CDにはキャラクター同士の掛け合い曲やショートドラマが収録されており、その中にはコミカライズ本編を補完するミニストーリーも含まれます。
たとえば漫画本編後日談的なコミカルドラマ(シリアスな本編の緩和剤になるもの)もあるので、余裕があれば限定版入手も検討してみてください。
限定版CDの一部楽曲は2023年発売のアルバム『CROSS A LINE』に収録されていますが、ドラマパートは配信などがなくCD限定です。
Q6. アンソロジーコミックは読むべき?本編と関係ありますか?
ヒプマイの公式アンソロジーコミックは、本編とは直接関係しないパロディ・ギャグ中心のファンブック的な内容です。
ストーリーの進行に影響することは特にありませんので、お好みで読めばOKです。
アンソロジーでは各ディビジョンの日常コメディやほのぼのネタが楽しめ、公式イラストレーター陣による描き下ろしもあるため、キャラクターの別の一面を見たい方にはおすすめです。
逆にシリアスな本編ストーリーを追いたい方は、アンソロジーは飛ばしても問題ありません。
全巻を無料で読めるサイトやアプリはある?

「漫画を全巻無料で読みたい」そう考える人は少なくありません。しかし、無料で読めるサイトやアプリは基本的には存在しません。また、無料を謳うサイトには注意が必要です。
中には違法アップロードされた漫画を掲載しているサービスもあり、利用者側もリスクを負うことになります。
まず、正規の手段で漫画全巻を無料で楽しむには、以下のような方法があります。
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- 「ジャンプ+」「マンガUP!」「ピッコマ」などでは、期間限定で全巻無料になるキャンペーンが開催されることがあります。特定作品に限られますが、合法かつ安全に楽しめます。
- 試し読み機能の活用
- 多くの電子書籍サービスでは、数話分を無料で試し読みできます。「コミックシーモア」「ebookjapan」「LINEマンガ」などが代表的です。
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- 一部の地域では、図書館の電子書籍サービスで漫画を借りることができます。会員登録が必要ですが、完全無料かつ合法です。
一方で、「漫画raw」「漫画バンク」などの違法サイトの利用は絶対に避けましょう。
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漫画rowなどの違法サイトは危険です!
「漫画raw」や「漫画バンク」などのサイトは、一見すると便利に見えるかもしれません。ですが、これらは著作権者の許可なく漫画を違法にアップロードしている海賊版サイトです。
こうしたサイトを利用するリスクは多岐にわたります。
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- 多くの海賊版サイトには悪質な広告が仕込まれており、クリックするとウイルスに感染する恐れがあります。
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- 法律違反の可能性
- 漫画を違法にアップロードする行為はもちろん、それを読む側も「著作権法違反の幇助」にあたる可能性があります。
実際、過去には利用者が摘発された事例も存在します。
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- 突然の閉鎖やアクセス不能
- 海賊版サイトは運営元が不明確で、ある日突然アクセス不能になることもあります。
安全性や信頼性が一切ありません。
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正規のサービスを活用すれば、合法的かつ安心して漫画を楽しめます。キャンペーン情報をチェックしたり、試し読みをうまく使って、お得に読書を楽しみましょう。
まとめ「ヒプノシスマイク」漫画を読む順番
ヒプノシスマイクの公式漫画シリーズは、ディビジョンごとに視点が分かれ、さらに「+」の有無で第1回・第2回ディビジョンラップバトル(D.R.B)の違いがあります。
そのため一見複雑ですが、次のポイントを押さえればスムーズに読めます。
- まずは第1回D.R.B編(無印シリーズ)
- 『side B.B & M.T.C』(池袋・横浜)
- 『side F.P & M』(渋谷・新宿)
→ 初心者はここから読むのがおすすめ。
- 次に第2回D.R.B編(+シリーズ)
- 『side B.B & M.T.C+』(池袋・横浜)
- 『side F.P & M+』(渋谷・新宿)
- 『side D.H & B.A.T+』(大阪・名古屋)
→ 6ディビジョン揃い踏みのトーナメント戦が展開。
- スピンオフ・過去編を挟むと理解が深まる
- 『Before The Battle The Dirty Dawg』(T.D.D結成と解散の物語)
- 『Before The Battle Dawn Of Divisions』(短編集で各キャラの過去を描く)
- 『side D.H & B.A.T』(大阪・名古屋結成秘話)
- 読む順番は柔軟でOK
- ストーリー重視なら時系列順に。
- 推しチーム重視なら、そのディビジョンのシリーズから。
結論として、「好きなディビジョンから読んでも楽しめる」のがヒプマイ漫画の良さです。
ストーリーを時系列で追いたい人は本記事のおすすめ順を参考に、キャラ推しで読みたい人は推しチームのシリーズから始めてみましょう。
すべてのシリーズを読むことで、音楽・ドラマトラックでは描かれないキャラクターの内面や過去に触れられ、ヒプマイの世界がより奥深く味わえます。

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