「魔法科高校の劣等生」は原作ライトノベルを各エピソードごとに分冊でコミカライズしたシリーズです。
エピソードごとに別作品扱いとなり、作画担当や出版社が異なるため、漫画版だけでも多数のシリーズが存在します。
本記事では漫画版を読む順番を中心に、各コミックシリーズの巻数や作画担当・発売日・出版社、そして簡潔なあらすじや主要キャラクター、アニメ・原作小説との対応関係、スピンオフ作品との関係性、さらには読者レビューや人気の理由について徹底解説します。
初めて漫画版に触れる方や「どの順番で読めばいいの?」と迷っている方はぜひ参考にしてください。
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魔法科高校の劣等生:読む順番は?

まず結論から言えば、基本的には原作小説のストーリー順(時系列順)に沿って漫画を読んでいくのがおすすめです。
以下に本編エピソードの読む順番をまとめます。
読む順番 | 編タイトル | 概要 | 原作対応巻 | 漫画版巻数 |
---|---|---|---|---|
1 | 入学編 | 魔法科高校入学から1学期まで | 1~2巻 | 全4巻 |
2 | 九校戦編 | 夏の九校戦 | 3~4巻 | 全5巻 |
3 | 夏休み編 | 夏休み中の短編エピソード集 | 5巻の一部 | 全3巻 |
4 | 会長選挙編 | 生徒会選挙エピソード | 5巻収録短編 | 全1巻 |
5 | 横浜騒乱編 | 1年生編クライマックスの事件 | 6~7巻 | 全5巻 |
6 | 追憶編 | 司波兄妹の過去を描く前日譚 | 8巻 | 全巻 |
7 | 来訪者編 | 米国からの来訪者リーナ登場の事件 | 9~11巻 | 全7巻 |
8 | ダブルセブン編 | 2年生編序盤、新入生をめぐる小事件 | 12巻 | 全3巻 |
9 | スティープルチェース編 | 2年生夏の九校戦・新種目競技の事件 | 13巻 | 全3巻 |
10 | 古都内乱編 | 京都での論文コンペと並行する内乱事件 | 14~15巻 | 全5巻 |
11 | 四葉継承編 | 年末の四葉家当主継承をめぐる騒動 | 16巻 | 全3巻 |
12 | 師族会議編 | 年明けの十師族会議と大規模襲撃事件 | 17~19巻 | 全9巻 |
13 | 南海騒擾編 | 沖縄での南海騒乱事件 | 20巻 | 全3巻 |
14 | 動乱の序章編 | 3年生編序盤の不穏な動き | 21~22巻 | 既刊4巻 |
15 | 孤立編 | 3年生春のエピソード | 23巻 | 既刊2巻 |
16 | エスケープ編 | 3年生夏までのエピソード | 24~25巻 | 既刊3巻 |
17 | インベージョン編 | ※2025年現在連載中 | 26巻相当 | コミックス未刊 |
以上が本編ストーリーの順番です。
なお、コミカライズは一部エピソードが並行連載されており、刊行順=時系列順ではありませんが、読む際は物語の時系列に沿う形で進めると混乱が少ないでしょう(「追憶編」は物語の過去話ですが、ネタバレ防止のため原作と同様に本編途中で読むのがおすすめです)。
魔法科高校の劣等生 「本編」漫画シリーズ読む順番と内容

【本編】漫画シリーズの読む順番に沿った「編タイトル/刊数/連載期間」の一覧です。
読む順番 | 編タイトル | 刊数 | 連載期間 |
---|---|---|---|
1 | 入学編 | 全4巻 | 2012年1月号~2013年10月号 |
2 | 九校戦編 | 全5巻 | 2013年11月号~2016年6月号 |
3 | 夏休み編 | 全3巻 | 2016年12月号~2018年2月号 |
4 | 会長選挙編 | 全1巻 | 2018年6月号~2018年11月号 |
5 | 横浜騒乱編 | 全5巻 | 2013年11月号~2015年9月号 |
6 | 追憶編(※過去エピソード) | 全3巻 | 2014年4月号~2015年9月号 |
7 | 来訪者編 | 全7巻 | 2016年1月号~2019年7月号 |
8 | ダブルセブン編 | 全3巻 | 2016年11月号~2019年8月号 |
9 | スティープルチェース編 | 全3巻 | 2019年5月号~2021年1月号 |
10 | 古都内乱編 | 全5巻 | 2019年5月号~2022年3月号 |
11 | 四葉継承編 | 全3巻 | 2020年1月号~2022年4月号 |
12 | 師族会議編 | 全9巻 | 2020年4月号~2024年10月号 |
13 | 南海騒擾編 | 全3巻 | 2021年4月号~2022年10月号 |
14 | 動乱の序章編 | 既刊4巻 | 2023年3月号~連載中 |
15 | 孤立編 | 既刊2巻 | 2023年3月号~2025年8月号予定 |
16 | エスケープ編 | 既刊3巻 | 2023年3月号~連載中 |
17 | インベージョン編 | コミックス未刊 | 2025年6月号~連載中 |
※「追憶編」は過去の出来事ですが、ネタバレ防止のため横浜騒乱編後(表中順)に読むのがおすすめです。
1. 入学編 (全4巻)
- 巻数・刊行:全4巻(完結)。2012年1月号~2013年10月号に月刊Gファンタジーで連載。2012年9月~2013年12月にスクウェア・エニックスよりコミックス全4巻発売。
- 作画:きたうみつな(構成:林ふみの)。原作小説1~2巻「入学編」に相当。
あらすじ
西暦2095年4月、魔法科高校(国立魔法大学付属第一高校)に司波達也(兄)と司波深雪(妹)の兄妹が入学します。魔法科高校では、入学試験の成績により優等生コースの「一科生(Bloom)」と補欠合格の「二科生(Weed)」に分けられます。
深雪は首席の一科生、ブルームとして注目を集めますが、達也は実技試験で魔法の欠陥を抱えていると見なされ二科生、ウィードに編入されます。
校内では一科生と二科生の間に差別的な風潮があり、入学早々達也は二科生を見下す上級生や同級生と対立します。しかし実は達也は隠れた高い戦闘力・頭脳を持つ「劣等生」であり、次第にその実力の片鱗を見せて周囲を驚かせていきます。
物語前半では入学直後の風紀委員選抜戦や、校内テロ未遂事件を達也が解決し、次第に生徒会メンバーや仲間たちから一目置かれる存在となっていきます。
妹の深雪は学院最優等生として兄を陰から支えつつ、誰にも言えないほどに兄を慕う様子が描かれ、本作の絆の核となっています。
主要キャラクター
- 司波達也(兄)
- 司波深雪(妹)
- 千葉エリカ(風紀委員)
- 西城レオンハルト
- 柴田美月(魔法工学研究員)
- 吉田幹比古(剣術使い)
- 七草真由美(生徒会長)
- 渡辺摩利(風紀委員長)
- 十文字克人(十師族筆頭・十文字家)
アニメ・原作との対応
原作小説第1巻「入学編 上」および第2巻「入学編 下」に対応するエピソードです。TVアニメ第1期では第1話~第7話に相当します。
漫画版の作画きたうみつな氏はキャラクターデザイン原案の石田可奈氏の絵柄に近く、「アニメ版に最も近い雰囲気」とファンから高評価を得ています。
アニメでは省略された魔法理論の詳しい説明描写も漫画版では丁寧に描かれており、「科学的な魔法設定の考察が面白い」とオタク気質の読者に評価されています。
2. 九校戦編 (全5巻)
- 巻数・刊行:全5巻(完結)。2013年11月号~2016年6月号に月刊Gファンタジーで連載。コミックス全5巻がスクウェア・エニックスより2014年4月~2016年7月に発売。
- 作画:きたうみつな(構成:林ふみの・長岡千秋)。原作小説3~4巻「九校戦編」に相当。
あらすじ
2095年7月、達也たち1年生は全国魔法科高校親善大会「九校戦」に学校代表メンバーやスタッフとして参加します。九校戦では一年生・二年生・三年生別に複数の競技が行われ、各校が魔法技能を競い合います。
しかし大会の裏ではテロリスト集団や犯罪組織が暗躍し、競技への妨害工作が行われます。達也はエンジニア兼選手として活躍し、千葉エリカや西城レオンハルトら仲間たちと協力して陰謀を阻止します。
特に達也は技術スタッフ「トーラス・シルバー」として新兵器を開発したり、自らも新種目「モノリス・コード」などの競技に飛び入り参戦して優勝に貢献します。
物語後半では他校エースの一条将輝(九校の一つ第三高校のエリート)との対決や、敵対組織の妨害との戦いが描かれます。深雪もCAD壊しの妨害を乗り越え華麗に活躍し、第一高校は好成績を収めます。大会を通じて達也の高い戦闘力・技量が各校にも知れ渡り、彼への評価は一転していきます。
アニメ・原作との対応
原作小説第3巻「九校戦編 上」および第4巻「九校戦編 下」に対応します。TVアニメ第1期では第8話~第18話として描かれました。
九校戦編も入学編と同じくきたうみつな氏が作画を担当し、アクションシーンや魔法エフェクトも迫力ある描写で人気があります。
なお、このエピソードの後日談や他校視点はスピンオフ作品『魔法科高校の優等生』でも補完されており(後述)、一科生チーム側から見た九校戦の様子が描かれています。
3. 夏休み編 (全3巻)
- 巻数・刊行:全3巻(完結)。2016年12月号~2018年2月号に月刊コミック電撃大王で連載。コミックス全3巻がKADOKAWA(電撃コミックスNEXT)より2017年2月~2018年2月に発売。
- 作画:柚木N’(ゆずき・ん)。原作小説5巻「夏休み編+1」のうち、「夏休み編」部分に相当するコミカライズです。原作5巻は短編集で複数エピソードが収録されていますが、その中の“夏休み中の出来事”を描いた中編が本作にあたります。
あらすじ
2095年8月、九校戦を終えた達也たちの夏休み期間を舞台にしたオムニバス的エピソード集です。いずれも原作短編がベースになっており、メインストーリーを補完する日常回・サイドストーリーとなっています。
例えば、一科生エリートだったが入学編で達也に敗北した森崎駿のその後を描くエピソードや、魔法工学研究部に所属する中条あずさ(あーちゃん)達による夏休みの研究合宿、技術試験に訪れた謎の少女エイミィとの出会いなど、主要キャラ以外にもスポットを当てた物語が展開されます。
特に達也不在時の二科生組の活躍や、後の伏線となるキャラの交流など、本編では描かれない日常風景が楽しめる内容です。九校戦後の日常エピソードを通じて、達也や深雪が得難い休息を過ごす一方、水面下では次の事件の種がまかれていることが示唆されます。
なお本作にはアニメ未登場のサブキャラクターの掘り下げも多く、ファンにとっては貴重な補完ストーリーとなっています。
アニメ・原作との対応
原作小説第5巻『夏休み編+1』所収の「夏休み編」に該当(+1部分は次の会長選挙編)します。TVアニメでは夏休み編のエピソードは描かれておらず未アニメ化です。
したがって、このコミックスでしか読めないエピソードも多く、アニメ派の方にも新鮮な内容となっています。後述の「会長選挙編」と合わせて読むと、一年生編から二年生編への橋渡しとなる短編ストーリー群を把握できます。
4. 会長選挙編 (全1巻)
- 巻数・刊行:全1巻(完結)。2018年6月号~2018年11月号に月刊コミック電撃大王で短期連載。コミックス全1巻が2018年10月に発売されました。
- 作画:柚木N’。原作小説5巻「夏休み編+1」に収録された短編「会長選挙」に相当します。
あらすじ
達也たちが一年次の学園後期、三年生の卒業に伴う生徒会長選挙が行われます。前会長の七草真由美が卒業するため、その後任を決める選挙戦に、二年生の渡辺摩利(風紀委員長)や一年生の中条あずさ(生徒会書記)が立候補します。
当初、生徒会長に推薦されかけた達也でしたが、本人は表舞台を避けたい意向があり立候補を辞退します。物語は「あーちゃん」こと中条あずさをいかに会長に押し上げるかという視点で進み、深雪や幹比古たちが選挙活動をサポート。
達也も裏方として動き、摩利先輩から達也への会長職オファーを巧みにかわしつつ、あずさ当選への策を講じます。最終的に中条あずさが次期生徒会長に就任し、達也は彼女のもとで引き続き雑務担当として自由な立場を確保しました。
短いエピソードながら、達也が目立つ立場を避ける理由や周囲の信頼関係が描かれ、一年生編の締めくくりとして位置付けられます。
アニメ・原作との対応
原作小説5巻収録の短編「十文字家の婚約者/会長選挙」がベース。アニメ版ではこのエピソードは描かれておらず未映像化です(一期と二期の間の学園内エピソードにあたるため)。
漫画版オリジナルの補完的位置にあり、二年生編(来訪者編)に入る前に読んでおくと、生徒会体制の変化など設定を理解しやすくなります。
なお本作の作画・柚木N’氏は前述の夏休み編も担当しており、後に古都内乱編の作画も務めています。可愛らしく親しみやすい絵柄で、七草真由美や中条あずさといった女性キャラが魅力的に描かれている点も評判です。
5. 横浜騒乱編 (全5巻)
- 巻数・刊行:全5巻(完結)。2013年11月号~2015年9月号に月刊Gファンタジーで連載。コミックス全5巻がスクウェア・エニックスより2014年4月~2015年11月に発売されました。
- 作画:天羽銀(あもう しろがね)。原作小説6~7巻「横浜騒乱編」に相当します。
あらすじ
2095年10月末、達也たち一年生は秋の学校行事「魔法学論文コンペティション」に参加するため、横浜で開催される全国大会に赴きます。
達也は第一高校チームの一員として新発明の論文を発表する予定でした。しかし大会当日、突如として大亜連合の工作員やテロリスト集団「無頭竜(ノーヘッドドラゴン)」が横浜に侵入し、大会会場を襲撃します。
日本侵略を狙った敵勢力は大量の武装兵や戦略級魔法師まで投入し、市街地は大規模な戦場と化します。達也や深雪、第一高校の生徒たちは巻き込まれながらも各所で戦闘に参加し、達也は隠されていた超高威力の魔法「質量爆散(マテリアル・バースト)」を行使して敵艦隊を殲滅します。
深雪もまた秘められた力「絶対零度の氷結魔法」で敵を制圧し、兄妹の圧倒的な実力が初めて公衆の目前に明らかになる劇的な展開となります。
横浜騒乱編は一年生編のクライマックスであり、物語はこの事件をもって達也たちの一年目を締めくくります。なお事件後、達也は国家機密級の戦略級魔法師として政府筋からも注目され、「存在自体が国家機密」という特別な扱いを受けることになります。
アニメ・原作との対応
原作小説第6巻「横浜騒乱編 上」および第7巻「横浜騒乱編 下」に対応しています。TVアニメ第1期では第19話~第26話(最終話)として描かれました。
一年生編の最終エピソードであり、アニメ1期のクライマックスでもあります。作画担当の天羽銀氏は本作からコミカライズ参入し、大規模戦闘シーンや魔法発動のダイナミクスを緻密に描写しています。
読者からは「横浜編のコミックは迫力満点で読み応えがある」と好評を博しました。
また横浜編で提示された伏線(論文コンペ内容や敵組織の暗躍)は、後の「古都内乱編」や「師族会議編」に繋がっていくため、物語全体でも重要な位置づけとなっています。
6. 追憶編 (全3巻)
- 巻数・刊行:全3巻(完結)。2014年4月号~2015年9月号に月刊コミック電撃大王で連載。コミックス全3巻がKADOKAWA(電撃コミックスNEXT)より2014年6月~2015年9月に発売されました。
- 作画:依河和希(よりかわ かずき)。原作小説8巻「追憶編」に相当します。
あらすじ
「追憶編」は本編の過去の物語(前日譚)であり、時間軸は2092年──達也と深雪が魔法科高校入学より3年前、中学生だった頃に遡ります。深
雪視点で描かれるこのエピソードでは、なぜ深雪がお兄様(達也)に特別な想いを抱くに至ったのか、そして達也の出生の秘密や力の謎に迫る重要な過去が語られます。
物語は、深雪がまだ達也に心を開けず兄妹関係がぎこちなかった頃、四葉家の当主(深雪の母の姉)である四葉真夜の指示で沖縄に家族旅行へ赴くところから始まります。
沖縄で深雪たちはテロ事件に巻き込まれ、危機に陥った深雪を達也が感情を爆発させ圧倒的な力で救出します。この出来事を契機に深雪は初めて達也に心から感謝と敬愛の念を抱き、以後「誰よりもお兄様を想う」現在の関係性へと変化しました。
また達也が常人とは異なる特殊な存在に改造された経緯(四葉家による人体実験の結果、生まれ持った感情や魔法回路を封印され兵器同然となったこと)や、深雪に施された「精神干渉系魔法」による達也への絶対服従回路の秘密など、シリーズ全体の根幹に関わる謎も明かされます。
追憶編は感情表現に乏しかった達也が唯一無二の存在となる深雪との絆が深まる感動回であり、ファンからも人気の高いエピソードです。
加えて物語上は四葉家・司波家の内情や、後の事件と関係する魔法師狩り事件なども描かれ、短いながら重要な位置付けとなっています。
アニメ・原作との対応
原作小説第8巻「追憶編」に対応しています。TVアニメでは第二期と第三期の間、2021年12月にスペシャルエピソードとしてアニメ化(特別放送)されました。
漫画版は電撃大王で連載されたこともあり、本編とは異なる雑誌でスピンオフ的に展開されましたが、時系列上は横浜騒乱編後に読むのが適切です(物語上の種明かしタイミングが原作準拠のため)。
依河和希氏の繊細な作画が評価されており、深雪の心情描写や過去編ならではのノスタルジックな雰囲気が美しく表現されています。
深雪が「お兄様…」と達也を特別視するようになった経緯がこの追憶編で初めて明確に示されるため、本エピソードはファン必読と言えるでしょう。
7. 来訪者編 (全7巻)
- 巻数・刊行:全7巻(完結)。2016年1月号~2019年7月号に月刊Gファンタジーで連載。コミックス全7巻がスクウェア・エニックスより2016年7月~2019年9月に発売されました。
- 作画:マジコ!。原作小説9~11巻「来訪者編」に相当します。
あらすじ
2096年10月、達也たちは高校2年生に進級しています。そこへ米国(USNA)の特殊部隊「STARS」から最年少にして司令官を務める天才魔法師、アンジェリーナ=クドウ=シールズ(愛称リーナ)が留学生として第一高校にやって来ます。
表向きは留学生の彼女ですが、その正体はUSNA軍所属のエリート魔法師であり、極秘任務で日本に派遣されていました。
時を同じくして、日本各地で謎の吸血鬼事件(術式によって魔法師が生体エネルギーを吸い取られる事件)が発生。リーナの来訪目的はこの事件の犯人=戦略級魔法師「吸血鬼(ヴァンパイア)」の捕獲でした。
達也や第一高校メンバーも調査に乗り出し、次第に事件の真相とリーナの正体に迫っていきます。達也とリーナは当初衝突しますが、互いの実力を認め協力関係を築き、事件の黒幕であるエドワード・クラークの陰謀を阻止します。
最終局面では、達也の秘められた力(質量爆散の使い手)がUSNA側にも露見し、リーナは自国への報告義務との間で葛藤しますが、彼女自身は達也たちと友情を結んで日本を去ります。
来訪者編ではシリーズ屈指の人気キャラ・リーナが登場し、深雪に匹敵する美少女かつ魔法の才能を持つ彼女と達也の掛け合いや戦闘シーンが大きな見どころです。
また吸血鬼事件を通じて、達也の体質(体内のエネルギー変換炉)にまつわる秘密が一部明かされる重要な展開でもあります。
アニメ・原作との対応
原作小説第9巻~第11巻にあたります。TVアニメ第2期(タイトルも『来訪者編』)として2020年10~12月に全13話で放送されました。
漫画版は本編コミカライズの中でも長編(全7巻)となっており、リーナの可愛らしさが「漫画版の方が3倍可愛い」とも評されます。
作画マジコ!氏による緻密な描写で、リーナ変身時の煌びやかな姿や達也との激闘シーンが高く評価されました。
また、この来訪者編の後日談やリーナ視点は、スピンオフ漫画『魔法科高校の優等生 2nd Season』で補完されており(深雪目線で描写)、リーナの別の表情も楽しむことができます。
8. ダブルセブン編 (全3巻)
- 巻数・刊行:全3巻(完結)。2016年11月号~2019年8月号に月刊Gファンタジーで連載。コミックス全3巻がスクウェア・エニックスより2017年9月~2019年9月に発売されました。
- 作画:きたうみつな(構成:林ふみの・長岡千秋)。原作小説12巻「ダブルセブン編」に相当します。
あらすじ
2097年4月、達也たちは高校3年生に、そして新年度には新たな一年生たちが入学してきます。このエピソードでは**“7”という数字を背負った新キャラクターたちが登場し、「ダブルセブン(二つの7)」の意味が物語の鍵となります。
ひとりは十師族・七草家から入学した七草香澄・七草泉の双子姉妹(真由美の妹たち)で、もうひとりは師補十八家・七宝家の御曹司七宝亜夜という一年生男子です。
香澄と泉は揃って才色兼備のエリートであり、亜夜もまた強力な魔法師ですが、入学早々ある出来事から両者は対立関係になります。
達也たち上級生はこの新入生トラブルを見守る立場でしたが、その裏では十三使徒(無頭竜残党)の陰謀が動き始めていました。
新入生たちを巻き込む形で学内での魔法バトルが発生し、達也も介入します。物語終盤、七宝亜夜は秘術「零式行列マイナス・パレード」を用いて達也に挑み、一時は達也を苦戦させるものの、最終的に達也と深雪によって鎮圧されます。事件後、七草双子と七宝は和解し、それぞれの実力を認め合います。
ダブルセブン編は2年生編から3年生編へ移行する序章的位置付けで、学園内の新旧世代の交流や対立が描かれる点が特徴です。派手な学外戦闘は少ないものの、純粋な魔法バトルの魅力が詰まったエピソードとして評価されています。
アニメ・原作との対応
原作小説第12巻に収録されたエピソードです。TVアニメ第3期『魔法科高校の劣等生 ダブルセブン編』(2024年4月~6月放送)にて、第1話~第4話にかけて映像化されました。
コミカライズはきたうみつな氏が再び担当し、新キャラクターのビジュアルも原作挿絵の石田可奈氏デザインを忠実に再現しています。
ファンの中には「ダブルセブン編の漫画はシリーズ中でも特にお気に入り」という声もあり、新世代キャラの活躍や達也が珍しく苦戦する展開が新鮮だと好評です。
また並行して展開するスピンオフ小説『司波達也暗殺計画』では、このダブルセブン編の裏側で進行していた別の事件も示唆されており、興味があればそちらも合わせて読むとより深みが増すでしょう。
9. スティープルチェース編 (全3巻)
- 巻数・刊行:全3巻(完結)。2019年5月号~2021年1月号に月刊コミック電撃大王で連載j。コミックス全3巻がKADOKAWA(電撃コミックスNEXT)より2019年11月~2020年12月に発売されました。
- 作画:蒼和伸(あお かずのぶ)。原作小説13巻「スティープルチェース編」に相当します。
あらすじ
2097年7月、2年生となった達也たちは再び「九校戦」に参加します。今年の九校戦には新競技として「スティープルチェース・クロスカントリー」(魔法障害物競走)が追加されました。
この競技は魔法を駆使して障害物だらけのコースを走破するチーム戦ですが、実は主催者側の思惑で危険なトラップや妨害が多数仕掛けられていました。
達也は当初九校戦にエンジニアとして関わっていましたが、競技中に一年生の七宝亜夜たちが謎の集団から襲撃を受けていることを察知し、現場に急行します。
会場周辺では去年壊滅したはずの反魔法主義勢力が暗躍しており、競技を偽装したテロを計画していたのです。達也と仲間たちは競技そっちのけで妨害者と戦闘を繰り広げ、辛くもそれを撃退します。一方で、競技自体は他校も含め波乱続きでしたが達也の活躍もあり無事終了します。
スティープルチェース編では九校戦という華やかな舞台の裏での攻防戦がメインとなり、前半はスポーツ競技漫画的な熱さ、後半はシリアスな戦闘展開という二面性があります。「せっかくの新競技なのに妨害者が多すぎる!」と劇中でもツッコミがあるほど波乱万丈で、読者からも緊張感ある展開が好評です。
またエース級だった一条将輝(第三高校)がこの大会では不参加であったりと、達也たち2年生の新体制ならではのドラマも見どころです。
アニメ・原作との対応
原作小説第13巻をコミカライズしたものです。TVアニメ第3期(2024年放送)では第5話~第8話で映像化されました。
作画の蒼和伸氏はスピーディーな画風で、クロスカントリー競走の迫力や多数の妨害者との乱戦を上手く描き切っています。コミックスではページいっぱいに動き回るキャラクター達の様子が伝わり、「競技シーンの臨場感がすごい」と評価されました。
また、スティープルチェース編は電撃大王誌上での本編コミカライズ第1作となったエピソードでもあります(従来は本編はGファンタジー誌が中心でしたが、本作から2誌体制に移行)。
以降の本編エピソードはGFと電撃大王で分担連載されるようになり、刊行ペースが上がっています。
10. 古都内乱編 (全5巻)
- 巻数・刊行:全5巻(完結)。2019年5月号~2022年3月号に月刊コミック電撃大王で連載。コミックス既刊5巻(完結)がKADOKAWAより2019年11月~2022年3月に発売されました。
- 作画:柚木N’。原作小説14~15巻「古都内乱編」に相当します。
あらすじ
2097年10月、2年生の秋。京都(古都)で全国高校生魔法学論文コンペティションが開催されます今年は第一高校主催で達也たちも準備に奔走しますが、その裏で昨年の横浜騒乱の黒幕だった国際犯罪者集団「一条寺(エインチョル)」の残党や、反政府勢力が暗躍していました。
一方、十師族内部でもある騒動が起きます。七宝家の息子・七宝亜夜が第一高校への転校を計画し(一条将輝との交換留学的な措置)、それにまつわる軋轢が生じていたのです。
京都の論文コンペ会場では、第一高校チーム(達也・深雪・真由美ら)が新プレゼンを披露する中、敵対組織がテロ攻撃と要人拉致を決行します。
達也達はそれを迎え撃ち、京都市内では大規模な魔法戦が勃発。新キャラクターとして、独立魔装大隊の派遣部隊を率いるイケメン隊長柳生義治なども登場し、共闘して敵に挑みます。
また七草真由美も現地に駆け付け、自身の許嫁であった一条将輝と協力して事件解決にあたります。事件は達也達の活躍で収束し、敵組織の幹部らは逮捕。論文コンペも無事閉幕しましたが、この一件で十師族の影の対立が表面化することになります。
古都内乱編は、学園行事(論文コンペ)と国際テロ事件が交錯するスケールの大きな展開で、学園バトルと政治劇が融合した内容です。「横浜編の裏ボスを追う話」と位置付けられ、横浜で逃れた敵への決着編とも言えます。
また真由美・将輝など卒業組や外部組織も絡むため登場人物が非常に多彩で、「家同士の思惑」「十師族の家同士の力関係」も色濃く描かれました。
アニメ・原作との対応
原作小説第14巻「古都内乱編 上」および第15巻「古都内乱編 下」に相当します。TVアニメ第3期では第9話~第13話で映像化されました。
漫画版は柚木N’氏が再登板し、モブも含め多数のキャラクターを描き分けつつ、京都市街戦という大規模戦闘を迫力たっぷりに表現しています。
読者からは「古都編はキャラが多いが絵柄が安定していて見やすい」「七草先輩が可愛い!」など好評の声がありました。
また、本エピソードで一区切りとなる二年生編のクライマックスでもあり、ここまでの伏線回収やキャラ成長が描かれるため満足度の高い内容となっています。
11. 四葉継承編 (全3巻)
- 巻数・刊行:全3巻(完結)。2020年1月号~2022年4月号に月刊Gファンタジーで連載。コミックス全3巻がスクウェア・エニックスより2020年9月~2022年5月に発売されました。
- 作画:きたうみつな(構成:林ふみの・長岡千秋)。原作小説16巻「四葉継承編」に相当します。
あらすじ
2097年12月、達也たちが2年生の冬休み直前のこと。魔法界の名家「四葉家」では現当主である四葉真夜が引退を表明し、次期当主の座を巡って後継者争いが起きます。
候補者として筆頭に挙がったのが真夜の姪である四葉深雪でした。深雪はまだ高校生ながら四葉家随一の才能を持つとされ、真夜から正式に当主後継に指名されます。
しかし四葉家内部や他の十師族から異論もあり、さらには深雪の婚約者を誰にするかという問題も浮上します。真夜は既成事実を作るため、深雪の婚約者に「司波達也(深雪の実兄)」を指名するという大胆な決断を下します。
実は達也の正体こそ四葉真夜の息子(=深雪の従兄弟)であり、彼を深雪と婚約させることで達也をも四葉家に正式に組み込もうという狙いでした。深雪と達也は戸惑いつつもこの婚約劇を受け入れ、周囲への発表が行われます。
当然ながら他家から反発が起こり、四葉家に仇なす勢力が深雪暗殺を謀って動き出します。年末の四葉家親族会議においてついに武力衝突が勃発し、達也は反対派の襲撃から深雪を守るため戦闘を開始します。
九重八雲ここのえやくもの幻術や四葉系分家の異能など強敵が現れますが、深雪も“絶対零度”の魔法で応戦。最終的に達也が圧倒的力で敵対者を鎮圧し、深雪の四葉次期当主就任と司波達也・深雪の婚約が内外に宣言されました。
四葉継承編は司波兄妹の出自と立場が大きく変化する転換点であり、身内同士の争いという今までにないシチュエーションも相まってドラマ性の高いエピソードです。
達也と深雪が想いを通わせ婚約者となる展開はファンにとって衝撃でしたが、「身内同士の争いと和解」「魔法バトルの新たな多様性」が描かれシリーズ屈指の盛り上がりを見せました。
アニメ・原作との対応
原作小説第16巻に対応する内容です。このエピソードは劇場版アニメ『四葉継承編』として映画化が決定しており(2024年以降公開予定)、アニメシリーズとしてはTV第3期後の展開になります。
漫画版はきたうみつな氏が担当し、本編序盤から携わってきた作画陣だけあってキャラクターの感情表現や緊迫のバトルを高水準で描いています。
コミックス全3巻でコンパクトにまとまっており、「達也と深雪の関係性が最大の見どころ」「四葉家の内情が深く掘り下げられていて面白い」との声があります。
なお四葉継承編までがいわゆる「第二部終了」(魔法科高校2年生編完結)となり、次の師族会議編から最終章に突入します。
12. 師族会議編 (全9巻)
- 巻数・刊行:全9巻(完結)。2020年4月号~2024年10月号に月刊Gファンタジーで連載。コミックス全9巻がスクウェア・エニックスより2020年9月~2024年11月に発売されています。
- 作画:竹田羽角(たけだ うずみ)。原作小説17~19巻「師族会議編」に相当します。
あらすじ
2098年1月、新年早々に魔法界の最高会議「十師族師族会議」が京都で開催されます。十師族当主や関係者が一堂に会し、魔法師社会の重要事項を協議する場ですが、今年の議題には先日の四葉家当主交代や司波達也と深雪の婚約が取り上げられることになり、波乱の予感が漂います。
そんな中、かねてより達也抹殺を狙う反魔法勢力や、一部の十師族(達也を脅威とみなす九島家など)が結託し、師族会議そのものを襲撃する陰謀が進行していました。会議当日、達也と深雪は四葉家代表として京都入りします。
一条将輝や七草真由美ら他家の魔法師たちも集う中、暗殺者集団が会場を急襲し会議は大混乱に陥ります。達也と各家の精鋭たちは共闘して敵と戦い、十師族の当主クラスも自ら魔法を駆使して応戦します。
達也は絶体絶命の場面で深雪のサポートを受けつつ新魔法「質量爆散・改」を発動し敵陣を一掃、襲撃は辛くも阻止されました。
事件後、改めて師族会議が開かれ、達也は正式に十師族に次ぐ地位「十八家」の筆頭として認められ、深雪も四葉次期当主として各家に受け入れられます。
またこの戦いを通じ、十師族それぞれの最強魔法が披露される場面も多く、達也は他の魔法師たちの力を再評価することになります。
師族会議編はシリーズ本編におけるクライマックス直前の山場であり、「魔法科高校の劣等生」高校生編の集大成とも言える大規模バトルが展開されます。
登場人物・勢力も最多で「登場人物が多すぎて頭が追いつかない」という声もあるほどですが、各キャラの活躍や主要な恋愛エピソードの進展など見どころ満載です。
特に達也と深雪の婚約を巡り、七草真由美やアンジー・リーナなど周囲のリアクションも描かれ、作品の一つの到達点となりました。
アニメ・原作との対応
原作小説第17~19巻をコミカライズしています。2025年7月現在、アニメ化はまだされていません(四葉継承編が映画予定となっているため、その後映像化される可能性があります)。
漫画版は全9巻の長編となり、竹田羽角氏が息の長い連載で丁寧に描き切りました。「主要キャラ総出演の群像劇をよく整理して描いている」「迫力の戦闘シーンと各家の奥義描写が素晴らしい」とコミックの評価も高いです。
なお、連載途中から後続エピソードの並行連載が行われたため(後述の動乱の序章編などが並行して開始)、師族会議編コミックス9巻が発売される頃には次章以降も既に展開している状況でした。
読者は刊行順ではなく本記事のように時系列順で読んでいくと良いでしょう。
13. 南海騒擾編 (全3巻)
- 巻数・刊行:全3巻(完結)。2021年4月号~2022年10月号に月刊コミック電撃大王で連載。コミックス全3巻がKADOKAWAより2021年9月~2022年10月に発売されました。
- 作画:蒼和伸。原作小説20巻「南海騒擾編」に相当します。
あらすじ
2098年3月、司波兄妹は高校卒業を間近に控えています。そのタイミングで、十師族当主となった深雪と婚約者の達也に最初の任務が下されます。
それは南海の島・沖縄へ赴き、現地で発生している魔法テロに対処するというもの。達也たちは卒業式後、休暇を兼ねて沖縄を訪れます。
南国観光を楽しむ一方で、表向きは式典参加と見せかけた任務行動を開始。現地では国防軍の協力者や、四葉家配下の要員と合流し、テロ組織の根拠地を突き止めて急襲します。
一時は敵の罠にはまり深雪がさらわれかけますが、達也は冷静に対処し深雪を救出。最後は達也の戦略級魔法が炸裂し、敵勢力を完全に殲滅します。
こうして沖縄の騒乱(騒擾)は鎮圧され、司波兄妹は無事に帰京します。物語としては高校生編のエピローグ的なエピソードであり、達也と深雪が初めて十師族として公務を果たす姿が描かれました。
束の間のバカンスシーンや深雪の誕生日祝いなど和やかな場面も挟みつつ、最後は緊迫のバトルで締めくくられま。タイトルの「南海騒擾」は南海での騒乱という意味で、シリーズ全体のラストに向けた序章的な位置付けともなっています。
アニメ・原作との対応
原作小説第20巻をコミカライズしています。アニメ未制作の部分であり、現時点では漫画・小説でのみ楽しめるエピソードです。
コミカライズは蒼和伸氏が再度担当し、美しい沖縄の風景とリゾートで羽を伸ばす深雪の姿、そして一転して繰り広げられる激しい戦闘まで、メリハリの効いた描写となっています。
「深雪の南国ファッションが可愛い」「兄妹の絆が最後まで貫かれていて感動した」といった声もあり、高校生編の締めとしてファンに受け入れられました。
コミックス第3巻(最終巻)巻末では、原作者・佐島勤氏から完結に寄せたコメントも掲載されており、高校生編コミカライズの一区切りとなったことがうかがえます。
14. 動乱の序章編 (既刊4巻~連載中)
- 巻数・刊行:既刊4巻(連載中)。2023年3月号から月刊コミック電撃大王で連載中。コミックス第1巻が2023年8月、第2巻が2024年2月、第3巻が2024年10月、第4巻が2025年3月に発売されています。
- 作画:飛口芽衣(ひぐち めい)。原作小説21~22巻「動乱の序章編」に相当します。
あらすじ
物語は高校卒業後、新シリーズ「大学生編」への序章となるエピソードです。時は2098年4月、達也と深雪は魔法科大学にそれぞれ進学(達也は研究科、深雪は学部生)し、新年度を迎えました。
同時に第一高校には新入生が入学しており、その中には十師族・三矢家直系の少女三矢詩奈や、同じく十師族・八代家縁戚の少年矢車侍郎といった注目株がいます。
一方、達也の元には十文字克人から一通の手紙が届きます。それは、十師族の次世代会議への招集状でした。十師族当主の若手世代を集めた「二十八家若手会議」が開催されるというのです。
達也(四葉家)や七草真由美(一条家次期当主代理)らが出席する中、会議では魔法師社会の将来について議論されるはずが、思わぬ方向へ議題が進みます。
その裏では、世界規模での魔法師を巡る動乱の火種が巻き起ころうとしていました。動乱の序章編では、大学に進んだ達也たちの新生活と、次なる巨大な事件の幕開けが並行して描かれます。
物語序盤から新キャラの三矢詩奈・矢車侍郎が第一高校でトラブルに巻き込まれ、達也がそれを影からサポートする場面もあり、高校を巣立った後もなお達也の活躍は続きます。
また終盤では、「二十八家会議」の開催が大きな山場となり、ここで提示されたある決定事項が後の激動につながっていきます。まさに“動乱”の幕開けとなる展開で、本編完結へ向け物語が加速する序章となっています。
アニメ・原作との対応
原作小説第21巻「動乱の序章編 上」および第22巻「動乱の序章編 下」の内容です。アニメ化はまだされていません。
コミカライズは電撃大王で連載中であり、高校生編完結後のエピソードを描く最新シリーズとなります。飛口芽衣氏の作画は初参加ですが、達也や深雪といったお馴染みのキャラを違和感なく描き、新キャラの魅力も引き出しています。
シリーズが進むにつれ作画担当が交代してきましたが、それぞれの画風で作品世界が表現されるのもコミカライズ版の面白さでしょう。動乱の序章編は「高校生編のその後」を描くため読者の関心も高く、「新章突入でワクワクする」という声が上がっています。
15. 孤立編 (既刊2巻~連載中)
- 巻数・刊行:既刊2巻(連載中)。2023年3月号~2025年8月号に月刊Gファンタジーで連載。コミックス第1巻が2023年11月、第2巻が2024年9月に発売済み。完結巻(第3巻予定)は2025年9月発売見込み。
- 作画:きたうみつな(構成:林ふみの・長岡千秋)。原作小説23巻「孤立編」に相当します。
あらすじ
動乱の序章編に続くエピソードで、2098年5月頃が舞台です。国内外で徐々に緊張が高まる中、達也は周囲から孤立しつつある状況に追い込まれていきます(タイトル「孤立編」の由来)。
達也は国防軍からその圧倒的戦力を警戒され、七賢人や反達也勢力からも命を狙われるようになります。一方、第一高校では二年生に進級した光井ほのかが新生徒会長となり、新体制が始動。しかし深雪や達也といった支えを失った後輩たちは混乱も抱えていました。
物語では、九校戦(2098年大会)の準備が進む中で達也暗殺計画の火種がちらつき、達也と深雪は周囲を巻き込まないように自ら動くことを控えます。この結果、達也は戦略級魔法師として世界的に孤立無援の立場に立たされていきます。
やがてある事件が発生し、達也は意を決して単独で事態の解決に乗り出しますが……という緊迫の展開です。孤立編では“世界が司波達也を追い詰める”様子が描かれ、シリーズ後半のクライマックスに向けた不穏なムードが漂います。
同時に、達也を信じ協力しようとする仲間たち(エリカやレオたち)の姿もあり、「孤立」という言葉に反して強い絆が試される物語とも言えるでしょう。
アニメ・原作との対応
原作小説第23巻に対応します。アニメ未制作。コミカライズはきたうみつな氏が担当し、原点の入学編から携わっている氏による終盤エピソードということでファンからの信頼も厚いです。
Amazonレビューでも「きたうみつな先生の絵が一番好きで、最後まで担当してくれるのが嬉しい」といった声が見られます。孤立編は2025年現在連載中であり、今後の展開からも目が離せません。
16. エスケープ編 (既刊3巻~連載中)
- 巻数・刊行:既刊3巻(連載中)。2023年3月号から月刊コミック電撃大王で連載中。コミックス第1巻が2023年3月、第2巻が2024年2月、第3巻が2024年10月に発売済み。4巻以降も連載継続中です。
- 作画:柚木N’。原作小説24~25巻「エスケープ編」に相当します。
あらすじ
いよいよ高校生編の最終局面に当たるエピソードで、2098年夏~秋頃が舞台です。「エスケープ(ESCAPES)」とは達也が水面下で進めていたある極秘プロジェクトの名称であり、この計画が物語の鍵を握ります。
世界中が七賢人レイモンド・クラークの情報操作により司波達也の存在に注目し始め、達也はもはや逃げ場のない状況でした。そんな中、達也は自らが進めてきたある計画をついに実行に移します。
それは“ESCAPES計画”と呼ばれるもので、達也自身と深雪たち仲間の日本脱出を視野に入れたものでもありました。一方、世界規模では大亜連合やUSNAを巻き込んだ最終戦争の火種がいよいよ燃え上がり、達也たちにも直接的な危機が迫ります。エスケープ編では、達也が自らの運命を切り開くための最後の戦いが描かれます。
ネタバレになるため詳細は伏せますが、原作小説ではこのエスケープ編(25巻)で「魔法科高校の劣等生 高校生編」が完結を迎えました。コミカライズ版もクライマックスへ向け緊張感あふれる展開が続いており、達也や深雪が最後に選択する道に注目が集まっています。
アニメ・原作との対応
原作小説第24巻「エスケープ編 上」、第25巻「エスケープ編 下」に対応します。アニメ未制作。コミック連載は電撃大王にて進行中で、柚木N’氏が担当しています。
同氏は夏休み編・会長選挙編・古都内乱編も手掛けており、安定感のある作画で物語を盛り上げています。
「エスケープ編3巻まで読んだけど、クライマックスに向けて怒涛の展開」「深雪と達也の行く末が気になる」と読者の反響も大きく、完結巻の刊行が待たれます。
17. インベージョン編 (連載中)
- 巻数・刊行:コミックス未刊(2025年7月現在連載開始したばかり)。2025年6月号より月刊Gファンタジーで連載中。※原作小説26巻「インベージョン編」に相当。
- 作画:竹田羽角。
あらすじ
高校生編の完結後に始まる新シリーズ(大学生編以降)の導入と思われます。
「インベージョン(侵略)」の名が示す通り、魔法師たちの世界に何らかの大規模侵攻や脅威が迫る物語になると予想されています。詳細は今後明らかになるでしょう。
補足
原作小説は高校生編(全32巻)完結後、続編として新シリーズ『続・魔法科高校の劣等生 メイジアン・カンパニー』(達也たちの卒業後を描く)と、新主人公によるシリーズ『新・魔法科高校の劣等生 キグナスの乙女たち』などに展開しています。
インベージョン編以降は、コミカライズが続編シリーズに入っていく可能性もあり、ファンから期待が寄せられています。
魔法科高校の劣等生 「スピンオフ&外伝」漫画一覧と読む順番

本編コミカライズ以外にも、「魔法科高校の劣等生」には多数のスピンオフ作品や番外編コミックがあります。それらは本編と直接のストーリー連続性はありませんが、本編を補完したり別視点から楽しめる内容となっています。
興味に応じて、本編の合間に読んでみるのもおすすめです。
タイトル | 巻数/連載期間 | 概要 |
---|---|---|
魔法科高校の優等生 | 全11巻(2012年〜2020年) | 本編「入学編」〜「九校戦編」を深雪視点で描くスピンオフ。深雪の想い、一科生の日常、達也の知らない舞台裏が語られる。TVアニメ化(2021年放送)。 |
魔法科高校の優等生 2nd Season | 既刊5巻・連載中(2021年〜) | 本編「来訪者編」を深雪視点で再構築。リーナとの交流や深雪の内面を丁寧に描写。 |
魔法科高校の劣等生 司波達也暗殺計画 | 既刊5巻・連載中(2019年〜) | 中学生時代の達也を描く外伝。暗殺者ナツとの戦いと黒羽家の双子などが登場し、若き日の達也の姿が楽しめる。 |
劇場版 魔法科高校の劣等生 星を呼ぶ少女 | 全2巻(2017年〜2018年) | 劇場版アニメのコミカライズ。春休みに訪れた別荘で少女・九亜と出会い、彼女を巡る事件に挑む短編エピソード。 |
魔法科高校の劣等生 よんこま編 | 既刊8巻(2014年〜2024年完結予定) | 本編キャラの日常をデフォルメした4コマギャグ。達也の無双や深雪のブラコンぶりなどがコミカルに描かれ、“癒やし枠”として人気。 |
新・魔法科高校の劣等生 キグナスの乙女たち | 既刊5巻・連載中(2021年〜) | 達也卒業後、後輩女子3人組が主人公。『メイジアン・カンパニー』へ続くプロローグ的作品で新世代の活躍を描く。 |
魔法科高校の劣等生 夜の帳に闇は閃く | 既刊1巻・連載中(2024年〜) | 2097年夏を舞台に、闇の勢力と戦う別視点スピンオフ。達也たちとは異なる主人公が登場する中編コミカライズ。 |
魔法科高校の優等生(全11巻)
本編の深雪視点スピンオフ。2012年~2020年に月刊コミック電撃大王で連載。作画:森夕。内容は本編「入学編」~「九校戦編」と同時期の出来事を深雪や一科生側から描いたものです。
深雪が兄・達也への秘めた想いを自覚していく様子や、一科生チームの日常、達也の知らない舞台裏などが語られます。
読む順番としては、本編の九校戦編まで読了後(またはアニメ1期視聴後)に読むのがおすすめ。同じ物語を別角度から楽しむことで理解が深まりますし、一科生キャラ(雫や玲子など)の魅力も再発見できます。
なお本作はTVアニメ『優等生』として2021年に放送されました。
魔法科高校の優等生 2nd Season(既刊5巻~連載中)
「優等生」の続編スピンオフ。2021年より月刊コミック電撃大王で連載中。作画:おだまさる。
内容は本編「来訪者編」を深雪視点で描いており、USNAから来たリーナとの交流や深雪の心情が丁寧に描かれています。
読む順番は、本編の来訪者編(またはアニメ2期)終了後が適切。深雪とリーナの関係性や、深雪が兄を想う気持ちなど、「優等生」ならではの繊細な心理描写が好評です。
魔法科高校の劣等生 司波達也暗殺計画(既刊5巻~連載中)
原作の外伝小説シリーズをコミカライズしたスピンオフ。2019年7月号より月刊コミックアライブで連載中。作画:一乃ゆゆ。原案は佐島勤氏だが、執筆は一乃ゆゆ氏による公式スピンオフ小説が元。
内容は達也が中学生だった頃の物語で、達也暗殺を目的とする組織と少女暗殺者ナツとの戦いを描きます。
黒羽家の双子(TVアニメ「優等生」に登場したキャラ)なども登場。
読む順番は本編とは独立しているためいつでも良いが、達也の秘密をある程度知った上で読む方が楽しめます。
おすすめは本編二年生編あたりまで読了後。
ファンからは「暗殺者の女の子が可愛くて切ない」「いつかアニメ化してほしい」と人気。
劇場版 魔法科高校の劣等生 星を呼ぶ少女(全2巻)
2017年公開の劇場版アニメ(原作者書き下ろしストーリー)をコミカライズ。2017年10月号~2018年8月号に月刊コミック電撃大王で連載。作画:ピナケス
内容は達也たちが1年生と2年生の春休み(横浜騒乱編と来訪者編の間)に訪れた別荘で出会った少女・九亜と、彼女を巡る事件を描く。バカンス中の一同に襲いかかる陰謀と戦い、達也がヒロインの願いを叶える物語。
読む順番は、原作時系列では横浜騒乱編後すぐだが、劇場版公開順に倣うなら来訪者編の後でも可。漫画版は2巻完結で手軽に読めるので、未視聴の方は漫画で補完しても良いでしょう。
魔法科高校の劣等生 よんこま編(既刊8巻)
有志の4コマギャグスピンオフ。2014年~2024年にコミック電撃だいおうじで連載。作画:tamago。
内容はタイトル通り4コマ形式で、本編キャラの日常をデフォルメしたギャグコメディ。達也がひたすら無双&ツッコミ役だったり、深雪の重度ブラコンがネタにされたりと、シリアス本編では見られない崩しキャラが楽しめます。
読む順番は完全に自由だが、本編の主要人物関係を把握してから読んだ方が笑いどころが分かりやすい。2024年12月発売の第8巻で完結予定。ファンには「癒やし枠」として愛されました。
新・魔法科高校の劣等生 キグナスの乙女たち(既刊5巻~連載中)
原作の正統続編シリーズ(達也卒業後の物語)をコミカライズ。2021年5月号より月刊コミックアライブで連載中。作画:La-na。
達也たちの後輩世代(深雪の一年後輩)である女の子3人が主人公で、「キグナスの乙女たち」は彼女らのチーム名に由来。続編小説『メイジアン・カンパニー』シリーズのプロローグ的位置付け。
達也や深雪は脇役となり、新世代の活躍が描かれます。読む順番は高校生編コミック完結後が望ましい。現時点では本編完結前なので、興味がある方のみでOKです。
魔法科高校の劣等生 夜の帳に闇は閃く(既刊1巻~連載中)
原作者・佐島勤氏によるスピンオフ小説をコミカライズした最新作。2024年7月号より月刊コミック電撃大王とWeb(カドコミ)で連載開始。作画:太川善之。
タイトルから想像できる通り暗躍する闇の勢力と戦う別視点の物語。2097年夏頃を舞台にした中編小説で、達也たちとは異なる主人公が登場。
読む順番は本編二年生編までの知識があると理解しやすいでしょう。
スピンオフは緑色に色分けされることもあるように、本編とは直接関係しないエピソードが多いので、余力があれば手を伸ばしてみる程度で問題ありません。ただ、「優等生」シリーズは深雪ファンなら必読ですし、「暗殺計画」や「キグナス」は本編ファンには興味深い内容です。本編と合わせて読むことで世界観がより深まるでしょう。
よくある質問(FAQ)

- 魔法科高校の劣等生の漫画は全部で何巻ありますか?完結していますか?
- アニメと漫画、どちらから見るのがおすすめですか?ストーリーの違いはありますか?
- 原作ライトノベルと比べて、漫画版の出来はどうですか?漫画だけでストーリーを理解できますか?
- スピンオフ漫画『魔法科高校の優等生』は読むべきですか?どのタイミングで読めばいいですか?
- 漫画版はなぜ複数の出版社・雑誌から出ているのですか?編ごとに絵柄が違うのはなぜ?
- 魔法科高校の劣等生はどうしてこんなに人気があるのですか?
Q1. 魔法科高校の劣等生の漫画は全部で何巻ありますか?完結していますか?
A: 本編コミカライズだけでも既刊50巻以上にのぼります。
入学編4巻・九校戦編5巻・横浜騒乱編5巻…と各編ごとに単行本が刊行され、南海騒擾編までで合計50巻程度になります。さらに動乱の序章編以降の最終章エピソードが現在進行中で、これらを含めるとコミック全シリーズ合計では100冊前後に達します。
ただし、物語としてはまだ高校生編の最終盤が連載中(2025年現在)です。
原作小説「高校生編」は全32巻で完結済みですが、漫画版はその最後(エスケープ編・インベージョン編)を連載中で、完全な完結には至っていません。
主要エピソードである南海騒擾編(原作20巻)まではコミックス化完了済みなので、高校生編クライマックス直前までのストーリーは漫画で追うことができます。
Q2. アニメと漫画、どちらから見るのがおすすめですか?ストーリーの違いはありますか?
A: 初めて触れる場合はアニメ第1期から入るのが分かりやすいでしょう。
アニメ版(2014年放送)は入学編~横浜騒乱編までをテンポよく描いており、本作の世界観を掴みやすいです。その後、続きが気になったら漫画版で補完するという手があります。
一方、漫画版はアニメで省かれた細部まで丁寧に描かれているので、アニメ既視聴者でも新鮮に楽しめます。特に魔法理論の解説やキャラクターの心理描写が充実しており、「アニメでは理解しきれなかった部分が漫画で腑に落ちた」という声もあります。
ストーリー自体は大筋で共通ですが、漫画版オリジナルの短編(夏休み編・会長選挙編などアニメ未描写エピソード)も存在します。
アニメではまだ描かれていない二年生後半~三年生編以降の内容は、漫画または小説でしか追えません。
したがって、アニメで入門→漫画で全体を補完という流れがおすすめです。なお、アニメ第3期(2024年放送)でダブルセブン編~古都内乱編まで映像化され、高校生編も終盤までアニメ化が進みました。
残る四葉継承編は映画化予定です。最終章は漫画が先行していますので、結末までいち早く知りたい方は漫画版を手に取ると良いでしょう。
Q3. 原作ライトノベルと比べて、漫画版の出来はどうですか?漫画だけでストーリーを理解できますか?
A: 漫画版だけでも十分ストーリーを追えます。
各編ごとに異なる作画家が担当していますが、総じてクオリティは高く、原作小説のエッセンスを上手くビジュアル化しています。
特に入学編・九校戦編を担当したきたうみつな先生の作画は評価が高く、「アニメのイメージに最も近い」とまで言われます。また、漫画版では原作の地の文で語られた魔法理論や設定もしっかり描写・セリフ化しているため、小説未読でも理解しやすい構成です。
実際、「小説は難しかったがコミックでは科学的な魔法解説が読みやすく面白い」といった感想もあります。
もちろん、小説版の細かな心情描写や膨大な設定を全て網羅しているわけではありませんが、主要なエピソードは漏れなくコミカライズされているため、漫画を通して物語の結末まで追体験可能です。
各エピソード末尾には用語解説ページなどが掲載されている巻もあり、世界観フォローも万全です。したがって「活字が苦手だけどストーリーを知りたい」という方にも漫画版は適した媒体と言えます。
Q4. スピンオフ漫画『魔法科高校の優等生』は読むべきですか?どのタイミングで読めばいいですか?
A: 『魔法科高校の優等生』は本編ファンならぜひ読むことをおすすめします。
司波深雪を主人公に据えたスピンオフで、一科生視点から本編1年目(入学~九校戦)を描いており、本編では見えなかったエピソードが満載です。
深雪が普段何を考えているか、達也の活躍を周囲がどう見ていたかなど、本編を補完する内容になっています。
読むタイミングは、本編の九校戦編(またはアニメ1期)まで一通り体験した後がベストでしょう。
そうすることでストーリー展開が分かった上で細部を深雪目線で楽しめます。優等生を読むと「深雪が兄を慕う気持ち」がより伝わってきて、本編での兄妹の絆に一層感情移入できるとの声も多いです。
なお、優等生はアニメ化もされましたが、漫画版は原作準拠でより丁寧に描かれています。続編の『優等生2nd Season』も本編来訪者編の裏側を描く好スピンオフですので、本編2期相当の後に合わせて読んでみると良いでしょう。
総じて、優等生シリーズは「劣等生」本編を好きになった方には外伝として非常に満足度が高い作品です。
Q5. 漫画版はなぜ複数の出版社・雑誌から出ているのですか?編ごとに絵柄が違うのはなぜ?
A: これは原作の分量が非常に多いため、コミカライズをスピード感持って進めるための措置です。
「魔法科高校の劣等生」は原作31巻+短編集と長大な物語で、一人の漫画家が順番に描いていたのでは完結に何十年もかかってしまいます。
そこで出版社側は、複数の雑誌で並行して別々の編を連載するという手法を取りました。
初期はスクウェア・エニックスの月刊Gファンタジー誌で本編(入学編など)を、KADOKAWAの月刊コミック電撃大王誌でスピンオフ的エピソード(追憶編や短編集)を担当する形でした。
しかしスティープルチェース編以降は電撃大王側でも本編を扱うようになり、現在はGF誌と電撃大王誌が本編エピソードを分担して連載しています。
さらに月刊コミックアライブ誌では「司波達也暗殺計画」などのスピンオフも展開しており、結果的に複数出版社からコミックスが出ている状況です。
作画担当が編ごとに違うのも同様の理由で、各エピソードごとに最適な漫画家を起用して効率よくコミカライズを完了させる狙いがあります。
ファンの中には「絵柄が変わると違和感がある」という意見もありますが、それぞれの作家が特色を出しつつもキャラクターデザイン原案(石田可奈氏)のイメージを大きく逸脱しないよう工夫されています。
むしろ「〇〇編の作画が好き」「この先生の達也が格好いい」と編ごとの描き方の違いを楽しむ声もあります。特にきたうみつな先生は複数編を担当し安定した画力を見せており、「全編通してきたうみ先生に描いてほしかった」というファンもいるほどです。
とはいえ総じてコミカライズ陣の評判は良く、複数体制によって思ったより早く最後まで漫画で読めそうだと歓迎する向きもあります。
Q6. 魔法科高校の劣等生はどうしてこんなに人気があるのですか?
A: 本作が人気を博した理由はいくつか指摘されています。
(1)まず「魔法」を題材にしながらも現代科学と融合した独自の論理体系が構築されており、その緻密な設定が考察好きなファンに刺さりました。
魔法式やCAD、戦略級魔法といった設定は非常に練り込まれており、「作者が読者より頭が良く、種明かしに素直に感心させられる」という評価もあります。
(2)主人公・司波達也のキャラクターも大きな魅力です。
「能ある鷹は爪を隠す」を地で行く達也が、周囲には劣等生と侮られながら実は圧倒的な力で敵をねじ伏せる展開は痛快なカタルシスを生みます。
水戸黄門的な勧善懲悪の爽快感があり、特に思春期の若い読者層に刺さりました。
(3)個性的で魅力的なキャラクターの数々も人気要因です。
クール最強な達也、ブラコン可憐な深雪、元気娘のエリカ、豪胆なレオ、お嬢様然とした真由美、ツンデレなリーナなど、登場人物は一癖も二癖もあり飽きさせません。
「普通の人が一人も出てこない」とも言われますが、それだけキャラが立っている証拠であり、多くのファンが推しキャラを見つけています。
(4)ストーリー面では学園ものからスタートしつつ、回を追うごとに国家間の思惑や国際問題までスケールが拡大していく意外性が好評でした。
単なる学校内の優劣争いに留まらず、外国勢力の陰謀や戦争まで絡めた壮大な展開が「予想外で面白い」と受け取られました。
(5)メディアミックスの成功も人気を押し上げました。
Web小説発の本作は2011年の書籍化以降売上を伸ばし、累計部数はシリーズトップクラスとなっています。2014年のTVアニメ第1期は作画クオリティが高く、有名声優陣の起用もあって大ヒット。
その後も劇場版やスピンオフアニメ、ゲーム展開など多方面に展開し、ブランドを確立しました。こうした要素が相まって、「魔法科高校の劣等生」はライトノベル界でも屈指の人気シリーズとなっています。
まとめ
- 読む順番の基本は「原作小説のストーリー順(時系列順)」
- 入学編 → 九校戦編 → 夏休み編 → 会長選挙編 → 横浜騒乱編 → 追憶編 → 来訪者編 → ダブルセブン編 → スティープルチェース編 → 古都内乱編 → 四葉継承編 → 師族会議編 → 南海騒擾編 → 動乱の序章編 → 孤立編 → エスケープ編 → インベージョン編(連載中)。
- ポイント:追憶編は過去話だが、横浜騒乱編後に読むとネタバレを防げる。
- 巻数・出版社・作画家が編ごとに違う
- 本編だけで既刊50巻超、最終章が連載中。
- 入学編・九校戦編・ダブルセブン編などはきたうみつな氏、横浜騒乱編は天羽銀氏、他にも柚木N’・マジコ!・竹田羽角などが担当。
- スピンオフは本編理解を深める補完コンテンツ
- 『魔法科高校の優等生』は深雪視点で 1 年目を追体験。
- 『優等生 2nd Season』『司波達也暗殺計画』『よんこま編』など、目的に応じて本編の合間に読むと◎。
- アニメ・映画と組み合わせると挫折せずに完走しやすい
- アニメ 1 期(入学〜横浜)→ 2 期(来訪者)→ 3 期(ダブルセブン〜古都内乱)→ 劇場版『四葉継承編』(公開予定)の順に視聴し、未アニメ化部分は漫画で補完。
- 初心者向けおすすめルート
- 最新情報のチェック方法
- 月刊 G ファンタジー/コミック電撃大王の公式サイト・X(旧 Twitter)で連載状況を確認。
- 原作小説は高校生編 32巻で完結、続編シリーズまで読むなら『メイジアン・カンパニー』『キグナスの乙女たち』も視野に。
本記事の手順通りに読めば、100冊規模の巨大シリーズでも迷わず制覇できます。お兄様と深雪の物語を漫画でじっくり楽しんでください!

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